快適な眠りのための基礎編に加えて、現実的な作戦を考えてみました。
まず、「寝たい」という願望の中には「寝ないと体の疲れがたまるから心配だ」ということでもあります。でも「疲れないための解決策」なら別にあるのです.
1) 7時間30分は必ず横になる
(入院すると医師は「何時間眠ることができましたか?」とは聞かずに、「横になっていましたか、安静にしていましたか?」と聞く.これは人間の代謝というものは「眠っている時」と「横になって安静にしている時」とあまり変わらないからだ。
つまり、眠ることも大切だが、それより安静にしていれば疲れない.具体的には、7時間30分横になると問題がない。睡眠は7時間でよいが、それに30分をプラスして心理的な安心感を得る。)
2) 音を聞く(眠れぬ夜の過ごし方:第一段階)
横になって眠らないと神経が高ぶるので、「眠れない対策」をとる。その第一段階は、「音を聞く」ということだ.少し興味のあるラジオが一番良い。ビデオや録音でも良いのだが、自分で録音すると興味のあるものだけが耳に入る。
ところが、ラジオでは興味を引く番組とつまらない番組が順番に来る。興味がある番組を聴いているとそのうち、つまらない番組に変わるので、その時に寝てしまう.
音楽とおしゃべりの組み合わせが長く続く番組や、自分が録音したものでは寝るのが難しい.短い時間に番組が変わるのが良い。20分から30分単位で番組が変わるラジオ番組を録音しておいて、それを聞くのも良い。武田は教育番組や放送大学などを録音しておいて良く聞いていた。
興味のある番組もあるが、そのうち外国語が始まってそこで寝てしまう。)
3) ものを考える(眠れぬ夜を過ごし方:第二段階)
第一段階ができるようになったら、「夜、寝ることができなくても、体力的には心配がない」という事がわかる。そこで第二段階に入る。第二段階では、「寝るときに考えること」をその日の昼に決めて、そのことは昼の間は考えないようにする。床についてしばらくはそのままにして、寝付けないときには昼間に考えておくようにしていることを考え出す。
考えるのは「憎い相手のこと、家庭のもめ事」などではなく「天下国家」のことがよい。
天下国家のことなら「眠れないときにはあれを考えよう」と思っていても、考え始めると面倒になってそのうち寝てしまう.昼間に考えることを決めておく。)
4) 寝ながら何かをする(眠れぬ夜の過ごし方:第三段階)
第三段階になると、寝付きは大丈夫だが夜中に起きて目が冴えてしまうことの対策をとっておく.夜中に起きたときに、「体を横にしながら何かをする」ことを決めておく。「面白い本」とか「メール」はまずい。
良いのは「つまらない雑誌(雑誌が良い)」や「ネット」、それに「メールを見るけれど絶対に返事は朝に書く」ようにする。そうすると1時間ほど経つと寝床に不自然な格好で横になっているので、首が疲れてきて横になりたくなる.
タイマーつきのテレビも良いがその時にはあまり関心のないスポーツ番組が良い。)
(平成23年3月10日 執筆)