2009年に行われた総選挙・・・つまりそれまで長く政権を担っていた自民党が敗北し、民主党が大きな勝利を収めて政権についた総選挙のことです。

あの時に、わたくしたちはどうしてあんなに「大きな間違い」をしたのでしょうか。

その当時の民主党の公約を見ますと、高速道路の無料化とかガソリンの暫定で税率の廃止、雇用対策等すべてバラ色な公約を掲げられていて、しかも税金の無駄をなくすことによって、国家財政は縮小すると言っていました。

ところが現実は、国家財政が縮小するどころか94兆円という最高の予算を組み、バラマキ政策を進め、消費税を上げようとしています。

そればかりではなく、昨日の国会では菅総理大臣は「民主党が今まで言ってきたこと、例えば年金であるとかその他の政策はほとんどその裏付けがない」と答弁していました。

厳しく言えば、民主党は「詐欺政権」と言えるでしょう。

でも、わたくしは民主党批判はともかくとして、そのような民主党をわたくしたちが選挙で選んでしまったことについて、深く反省をしています。

当時の民主党のマニフェストを見ますと、全面的に鳩山さんが表に出て、政策を訴えています。

鳩山さんは総理大臣になった半年間のことを振り返ってみても、彼が総理大臣としてふさわしくないことははっきりとわかります。それを選挙の前でなぜ見抜けなかったのか、これ程鳩山さんの顔が繰り返し出てるのに、その人柄を判断できなかったのかと悔やむばかりです。

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ところで自民党政治もよかったわけではありません。

道路といえば道路族が出てきますし、農政といえば農政族が幅を来ませます。何でもかんでも族議員が活躍し、国民のための政治と言えないところがありました。

五箇条のご誓文・・万機公論に決すべし・・という明治天皇の誓いはどこに行ったのでしょうか?

自民党の田中角栄総理大臣も一定の評価をすべきだと思いますが、やはり金にまみれた政権ではありました。

例えば、田中総理大臣の近くにいた新聞記者には、毎月10万円程のお小遣いが入った封筒を渡し、盆暮れにはイタリアとかイギリスの高級布地を使った背広のプレゼントがあったそうです。

このようなことを考えると、民主党政権もひどいし、自民党政権も大きな欠陥がありました。

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ところで、民主主義というのは読んで字のごとく国民が主人の政治体制ですが、そのためには国民自身の理解力・判断力が必要です。

やり方は二つあって、一つは代議員制度・・・つまり国民が立派な人を選挙で選び、その立派な人が国民の代わりに政治をするという形態です。

もう一つは、直接民主主義で、一つ一つのことを国民が判断するということです。

鳩山さんのような政治家しかいなければ、直接的に国民が判断したほうがいいように思いますが必ずしもそうではありません。

実は、最近このブログでも年金問題や、軍事の問題等を取上げているのは、もしもわたしたちが立派な代議士を選挙で選べないならば、わたくしたちは一つ一つのことに対してかなり深い知識と議論として判断をしなければならないからです。

しかしわたくしは若干疑問があります。

この社会は極めて複雑で、全てのことを正確に理解し正しく判断しようと思うと専門知識や最新の情報が必要なことは言うまでもありません。

多くの人は自分の仕事に忙しいわけですから、なかなか国際、政治、経済、軍事、科学の全てについて精通するということは不可能と言ってもいいでしょう。

ですからわたくしは結局のところ「選挙で立派な人に投票する」しかないと考えています。

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立派な人に投票するためには、二つの条件はあるのではないかと考えます。一つは小選挙区制をやめるという事、二つ目は政党解散することであると思います。

小選挙区制ですと自分の選挙区に立派な人がいなければ投票ができないのが事実です.

現在は、ネットやテレビで情報が十分に得られる時代ですから、最低でも関東地方を中部地方というぐらいの地方を一つの選挙区として、その中から自分が政治を任せる人を選ぶという方式でないとなかなか現実的な選択権を使うことができません。

また、自民党とか民主党という等があまりはっきりしていると議員の選ぶというより、むしろ政党を選ぶことになります。

イギリスとかアメリカはほぼ現在の日本と同じような形でやってきましたが、日本は日本なりの民主主義、つまりイギリスやアメリカよりか一歩進んだ民主主義を実施しても別に問題はないと考えられます。

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民主主義の基本は、先に示したように「万機公論に決すべし」であり、族議員の廃止、組織からの立候補制限などによって、明治の初めにすでにできていた思想を現実にすることではないかと思います.あくまでも国会議員は、自分の選出母体やましては自分の利害ではなく、国のため、日本の子供たちのために考えるという立場を取る人になって欲しいと思います.

(平成2323日 執筆)