冬になって人間のインフルエンザも流行が始まった。これは「国立感染症センター」が毎週、データを出しているので、新しいデータをすぐに見ることができる。

多くのデータが厚生労働省によって隠蔽されている事から見ると、インフルエンザに関するデータの公表はとても良いことだ。

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新型インフルエンザの流行は、1月に入って「定点あたり報告数」は“12”ぐらいで、毎年の流行とほぼ同じペースである.

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年齢層は、10代以下40%、20代と30代30%でやや子供と若い人に集中している.また、流行地域は九州と関東がほとんどだ。

宮崎県は口蹄疫、鳥インフルエンザ、人間のインフルエンザとこのところ運が悪くて可哀想だ。

ウィルスの形は新型と従来のA型が主でB型もわずかに見られている.

体力をつけ、良くうがいと手洗いをし、お茶やお湯を時々、飲むようにすることが大切だろう.

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ところで、宮崎で鳥インフルエンザが見つかり、愛知県にも飛び火している.

今からわずか7年前、京都の浅田農産で鳥インフルエンザが発生し、マスコミが騒いで、ついに浅田農産の会長老夫婦を自殺に追い込んだ。マスコミ殺人の一つだった。

その時に浅田農産が記者会見(2004年3月2日)をしたとき、

1)   鳥の調子が悪かったが、鳥インフルエンザであって欲しくないと願った、

2)   腸炎だと思った。過去にも腸炎で大量に死んだことがある、

3)   調子の悪い鳥を出荷することは今までもあった、

といった。実に正直な発言で、責任逃れなど一切、するつもりはなく、単に事実だけを話してくれた。

「現在、調査中です」

などと曖昧な事だけをいってほとぼりが冷めるのを待つという多くの官庁や大会社と比較して、浅田さんは立派だった。

この浅田さんのマスコミ殺人の問題はまたなにかの機会に取り上げるとして、鳥インフルエンザ騒動も7年をへて、いま、どうなっているのだろう。

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まず人間への世界的な感染状況だが、毎年、鳥に鳥インフルエンザが発生し、それが人間にうつる。人間では世界で500人程度が感染し、300人ぐらいが死ぬ.

鳥の感染が流行するところは、日本やアメリカ、ヨーロッパなどの先進国も含まれるが、人間の感染者がでるのは、インドネシア、ベトナム、エジプトなどの100人以上の国、中国、タイ、カンボジアなど数10人の国など、「すべて」が発展途上国である。

誤解しては行けないが、発展途上国を蔑視するとかいう詰まらないことを言おうとしているのではない.事実は事実で、それを科学的に参考にしたいということだ。整理をすると次のようになる。

1)   鳥インフルエンザは毎年、世界各地に流行する、

2)   発展途上国では「鳥から人へ」の感染が見られる、

3)   先進国では人への感染はない、

4)   人から人への感染はほぼ報告がないと言って良い。

マラリアなどが良い例だが、発展途上国に残っている病気があるが、その多くは「国の隅々まで衛生的に良い状態にはなっていない」ということが原因している.

鳥インフルエンザも日本のように衛生状態が良くなると、なかなか人には感染しないのだろう.

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動物と人が共に感染する病気として有名なものが「狂犬病」である。狂犬病はアジアを中心として世界各国に拡がっているが、幸いなことに日本は、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランド、ノルウェー、スウェーデンなど「狂犬病清浄7ヵ国」の中に入っている。

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だから日本では「鳥インフルエンザと狂犬病を比較する」などということはないが、鳥インフルエンザの感染者500人、死亡者300人に比較すると、狂犬病患者800万人、死亡者3万3000人はものすごく多い。

つまり、世界的に見れば、鳥インフルエンザがたいした事ではないとは言えないが、狂犬病やマラリア(世界で100万人が犠牲になると言われている)から見れば、数は少ない。

注意は必要だが、今すぐ大騒ぎをすることもないと言える。

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新型インフルエンザ、鳥インフルエンザ、狂犬病、マラリア・・・膨大な病気の一つ一つが原因も感染経路もなにもかにも違うのだから、同じように取り扱う訳にはいかないが、それでも

「大陸から野鳥が持ってくる防ぎようのない鳥インフルエンザで毎年、大騒ぎをするのか?」

という点を考えておかなければならないだろう。

人間は生き物で、ウィルスや細菌とも基本的には共存していくのだから、バランス感覚が必要だ。遠い将来、病気というものが全て無くなる可能性もないではないが、人間が自然の中で生きていくとすると、ウィルスや細菌の根絶がなにを意味するのかは即断できない。

そこで、あれほど大騒ぎをした新型インフルエンザと鳥インフルエンザについて、現時点で大凡のまとめをしておいた方が良いだろう.

1)   新しいウィルスや細菌は常に警戒しなければならない、

2)   人間の免疫レベルを高く保つために医学の知識を利用しなければならない、

3)   新型インフルエンザの感染力は従来型と同じで、死亡の危険性は数分の1であり、やや安全なインフルエンザである、

4)   鳥インフルエンザは野鳥が媒介するので、国内の飼育されたニワトリへの感染は防ぐことは難しい、

5)   ニワトリに鳥インフルエンザの感染が認められたからと言って、人への感染もないのに、農場の人を死に追いやったりしてはいけない(当たり前・・・でもそんなことまであった)、

6)   今のところ、衛生状態のよい日本では鳥インフルエンザが鳥から人へ感染する可能性は低い、

7)   まだ世界では鳥インフルエンザが変異して人から人へ感染が拡がる傾向にはない。

ということが分かる。

現在は、鳥インフルエンザが発生したら、その農場のニワトリを全部、殺し半径10キロメートルの移動を禁止する措置がとられていて、養鶏をしている人は戦々恐々だ.

でも、このことが本当に正しいかどうか、早期に専門家のデータの発表が待たれる.

(平成23130日 執筆)