「環境」に携わる人もさまざまである。マスコミが環境を報道するとその時だけ熱心な人もいれば、みんながまだ環境の重要性を理解していない時に、悪戦苦闘、信念を貫いていた人もいた。

その1人に服部美佐子さんがおられる.

最新刊

服部美佐子さん著「ゴミ減量 全国自治体の挑戦」(丸善)

実に素晴らしい!

全国約50カ所の自治体を自ら出向いて調査をし、その結果を詳細にまとめられている.全編を通じて感じられる服部さんの熱意はもちろん、資料としてのレベルも高い.

多くの自治体が本格的にゴミ問題に取り組んでいる現在、かつて東京都日ノ出町のゴミ処分場問題で1人、立ち向かった服部さんにしては心に様々な思いがわいてくるだろう.

あの頃、廃棄物からでる有害物質を「流してなにが悪い!」と言っていたお役人が、今では先頭を切って努力している.

私は彼女に聞いたわけではないが、今の自治体の人もそんな歴史を知らないで彼女にぞんざいな口をきく人もいるだろう.そんなとき、そして疲れているとき「誰が・・・」と言いたくなるのではないかと思う.

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ところで、服部さんのお書きになった本に書かれた内容は私の考えと違う。

服部さんはゴミを減らそうとなさっているが、私はゴミは増えても工学で処理できると思っている.

そこのところはまったく違うのだが、私は服部さんを尊敬している.意見は違う.でも私の考えが正しいかどうかは不明である.服部さんが正しいかも知れない。

また、社会には市民活動家、新聞記者、学者、評論家、実業家、政治家などがいて正常なのだ。だれもが活動家であったり、だれもが学者でも社会はうまくいかない。

活動家から見れば学者はへりくつばかり言っている種族だし、学者から見れば活動家もすこしは理論計算したらと言いたくなる.でも、それは違う.役割を誠実にする人の集団が大切なのだ。

そして、おそらく将来200年ぐらい経てば、ゴミをどうすれば良かったのかが分かるかも知れないが、それまでは大いに調べ、大いに議論し、日本のために誠実に進めていくことしか私たち人間にはできない。

もう一つ、服部さんの本をご推薦するに際して付け加えたいことがある。

服部さんは環境を大切にしたいと考えておられる.そして服部さんの生活、信条そのものが彼女の考えと一致している.つまり、口だけの人でもなく、彼女の生き様も毎日も、そして社会の先頭を切って最初の頃は批判の的となり、罵倒され、それでも信念を持って活動を続けておられる.

今では信じられないが、日ノ出町の問題の時には、社会は「廃棄物処理場から有害物質を流してはいけない」と言う服部さんを「経済成長したいのに何を言うのか!」と罵倒したのだ。

自分と意見が違うからといって、その意見を尊重せず、挙げ句の果てにはその人を憎む・・・そんな中で長いあいだ、服部さんは活動してこられた。

(平成23110日 執筆)