1933年、日本は満州国のことで国際的に孤立し、時の松岡洋右外務大臣が、自らキリスト教徒であることから、国際連盟で歴史的な大演説をぶった。

しかし、ついに脱退に追い込まれ、国際連盟の議場から去る松岡にとっても断腸の思いだっただろう.松岡の演説をつぶさに読むと彼は日本が国際的な孤児になることを防ぎたいと思っていたことが分かる。

ところが、当時の新聞はほとんどが「脱退支持」であり、実際にも全国132紙が共同声明を出し、新聞の第一面に満州国を手放すことは絶対できないとの圧力をかけた。

日本全体が「満洲は日本の生命線」というお題目にうなされていたのだった。

戦前は軍国主義、戦後は平和主義の新聞は世論を「指導」しているように見えるが、現実には世論の後をついているに過ぎなかった。

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それから80年。日本はまだ世界的に孤立している

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地球温暖化で言えば、京都議定書で「実質CO2削減」をしているのは日本だけで、それが日本ではまったく報道されなかったことや、なぜ、地球温暖化や生物多様性の環境問題の提案をしたアメリカが、今では両方にほとんど参加しなくなったか、などの報道は一切、行われていない。

でも、新聞を批判していても仕方がないので、ここ1年の温暖化に関する世界の動きを紹介しておきたい

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1)   2009年11月 温暖化防止の急先鋒だったオーストラリア議会が温暖化防止法案を「否決」

2)   2009年12月 フランス議会が温暖化防止法案を「否決」

3)   2009年6月 アメリカ下院が温暖化防止法案を可決したが、その後上院で審議もできず(アメリカでは上院が国家的な方針を決める)。下院も地球温暖化特設委員会を解散

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4)   2010年11月 カナダ、地球温暖化法案を上院が「否決」。

5)   2010年   アメリカ唯一の炭素取引所として2004年から営業を開始していたシカゴ気候取引所が閉鎖を決定(炭素トンあたり5セントに下がり、1年近く取引ゼロに陥った)

6)   2010年12月にメキシコでおこなれた地球温暖化の国際会議には、アメリカから閣僚級も出席しなかった(1年前のCOP15ではオバマ大統領、クリントン国務長官が出席)

7)   2009年11月に起こった「温暖化データねつ造暴露事件」でIPCCの報告書などが報告していた元資料の内、5400件がずさんな引用だったことが判明した。

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少し前まで毎日のように報道していた地球温暖化のことだから、報道に誤りがあれば直ちに修正していくのが新聞の読者や視聴者の方を向いている事になる。

しかし2010年5月に行われた日本学術会議のシンポジウムでの大新聞記者の発言のように「いまさら訂正できない」という雰囲気だ。

新聞が事実を報道できないのは確かだから、それを批判しても仕方がない。それは日本人がまだ新聞という報道方法を持つだけの「職業人の誇り」をもてない。

でも、IPCCのデータに大きな誤りがあり(多くは故意)、これまでの味方を修正しなければならないことを事実を知りたい人は知っておく必要があるだろう

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かつての国際連盟脱退の時のように、日本が「あなたに何ができますか?」という良い子の熱病に冒されず、真正面から事実を見る勇気を持って欲しいと思う

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(平成2317日 執筆)

(注) ここに掲載した世界の動きはいろいろなところからのニュースであるが、主として2011年1月1日の長周新聞に渡辺正教授が寄稿された記事によっている。