ヨーロッパに「世界の環境問題」の序列を発表しているところがある。それによると、一位:餓死、 二位:エイズ、 三位:元素問題 である。
おおかたの人が納得するだろう.なんと言っても、餓死は一年に約1500万人。それも子供が主だ。
二番目のエイズは日本ではあまりぴんと来ないが、世界的にはエイズで亡くなったり、悲惨な思いをする人は相変わらず多い.私ならエイズとマラリアを一緒に書きたいが。
三番目は、人工的な空間で住む人が増え、人間が必要とする元素(栄養と言ってもよいが)をバランス良く取ることが難しくなり、その結果、さまざまな病気や不快の原因となっているとしている。
この発表では、地球温暖化は環境破壊の10番目にあげられている.
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日本の環境問題について私が序列をつけるとしたら、
1. 若者が学校を出ても就職できないこと、
2. 自殺が世界でも飛び抜けて多いこと、
3. 年金破綻、認知症なども含めて老後が心配なこと、
である。普通に言われている、温暖化、生物多様性、ゴミなどはもし環境問題としても50番目ぐらいだろう。
その前に、不安定な収入、不安定な雇用関係、増え続けている犯罪、低い穀類自給率(食糧自給率)、視聴率や販売数を気にした報道、くるくる変わる基本的な政策、離婚率の高い結婚生活、家庭内暴力などの家庭の不和・・・などあげれば限りがない.
このような項目を「環境問題」とするのには抵抗があるだろう。今までの概念から言うと、環境問題とは「公害」のようなものだからである。
でも、狭義の環境破壊と、人間を視点にした環境破壊は相互に関係しているので、独立ではない。
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若者が学校を卒業しても就職口のない大きな理由の一つは、リサイクルの強制、CO2排出規制などで企業の環境負担が増え、海外に脱出する企業が多いからだ。
また、CO2削減をすることによってGDPの伸びが止まっている.
さらに、次々と出される暗い未来の予想があって、日本には「前向きの気分」が見られなくなり、それが社会から元気を奪っている.
つまり、就職率の低さは単に経済問題ではなく、従来の環境問題の枠組みだけで考えている、いわば「縦割り行政」の弊害が国民を苦しめている.
学校を出た若者が、就職できず毎日のように街を歩いているのに、「生物の多様性を守れ」と叫んでお金に群がっている人は、若い人が目に入らないのだろうか?
それも5%が就職できないというなら、「勉強しなかったから」と言えるが、50%となるとこれは若い人の問題では無く、うつつを抜かしている大人の責任である.
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本来、政府というのは何のためにあるのだろうか?と聞きたくなるような昨今だ。
「中国は経済発展している」という。でも技術の多くは日本が提供している.それは中国政府が国家の発展の政策を採っているからだ。
もちろんCO2削減や、石油の削減などはやっていない。そんなことをすれば国民が苦しむことは当然だからだ。
それに対して日本の経済は停滞し、若者は就職できない。学校をでた若者の実に50%がつとめられない社会・・・それこそ最悪の環境であり、大人はなにをしているのだ!と叫びたくなる.
未来の日本を担う子供にとって、「学校をでれば、仕事がある」というのが最低の環境である.その環境を、夢のような環境問題(リサイクル、ダイオキシン、温暖化、さらには生物多様性)で失っているのだ。
日本にはいわゆる環境問題などは存在しないし、将来もない。四方を海で囲まれた温帯の島国である日本は気温も毒物も、生物も心配はない。
世界と日本は違うし、日本の環境も守ることができなくて、世界の環境を云々しても意味がない。
心配ない環境破壊を利権のために作り出して、若者から職を奪うというのはどういうことだろうか? エコポイントで自動車や家電製品の「買い換えを促進」したり、「エコ」とは実に汚い手で汚れているものだ。
(平成22年12月6日 執筆)