生物多様性会議(正しくは“生物多様性条約第10回締約国会議”、通称COP10)が名古屋で行われている.しかし、もう一つ人気がない。
地球上の生物は3000万種と言い、とても豊富で「多様性」が保たれている.生物が多様である(細菌のような単細胞生物から始まって、植物、動物、人間に到るまで)ことは直感的にも大切なように思う.
でも、なにかCOP10には「いい加減さ」がある。それもかなりひどい「いい加減さ」が目立つので、それが支持されない原因だろう.
COP10の支援団体によると、「現在、地球上に3000万種ほどの生物がいるが、毎年、4万種の生物が絶滅している」と言っている.
ここで、まず第一のCOP10の「いい加減さ」だ。地球上に3000万種という生物種の数は多すぎるだろう。つまり、生物が元気なためには生物の種類があるていど少なく、「より進化した生物」が出現するぐらいの余裕があるのが良い.
その意味では、恐竜絶滅直後より主の数が多い方が良いけれど、1000万種ぐらいが適当だろう.そうなると2000万種を減らさなければならないから、現在の毎年4万種の絶滅で、500年かかる。
だから今、多様性を保とうなどとする必要は無い。
むしろ、これから500年の間に、「生物種の数と環境」の研究を進めておけばよい。というのは、生物学で「この地球に何万種の生物がいる状態が一番良い」ということがまだ出されていないからだ。
第二に、COP10のいい加減さは、「絶滅種の代わりに出てくる新種」がどのぐらいかを示していないことだ。
たとえば、年間4万種が絶滅しても、新たに5万種が誕生すれば、差し引き1万種の増加になる.
・・・・・・・・・
公的な機関が自らが有利になるために、情報の一部を故意に隠蔽するという「手法」は当たり前になったというぐらい多い.
たとえば、「温暖化すると南極の氷が減る(ウソ)」という報道では「融ける氷」の方だけを映像にして流し、「南極大陸の中央部でできる氷」はまったく報道されなかった。
その結果、多くの人が騙されたが、もちろん放送局はプラスマイナスがあることをよく知っていた。
レジ袋では、「レジ袋を無くすと20万トンの石油が節約される」とだけ言い、「レジ袋の代わりに使われるエコバッグ、家庭で使用されるポリ袋、そしてゴミ袋」が増える量が80万トン以上に上ることは一切、自治体は触れなかった。
・・・・・・・・・
昔から、自治体がこのようなウソを続ける機関だったのか、それとも最近の事なのか、ハッキリしたデータはないが、情けない自治体である.
情けない役人、情けない専門家が増えたものだ。役人も専門家もCOP10のいい加減さを「知っているのに言わずに騙す」というのは私には「サギ」に見える.その意味で現在のCOP10の支援団体はサギ集団だ.
「サギ」をするには「儲かる」からだが、COP10でもうけている人は多い.
1) 自治体の役人、 2)支援団体の人、 3)イベントの人、4)御用学者、 5)国立環境研究所、6)外来種排除の人、7)新聞やテレビ、8)関連工事会社、そして最期に仕掛け人としての 9)環境省
である.アメリカが熱心だった頃のCOP10では、これに 10)薬品会社、11)食品会社 が加わっていたが、まだ残っている.
つまり「チーム利権11」の中で、「ビジネス組」が少し減って、「税金組」がやや押してきたのが名古屋のCOP10だが、質は悪くなっているように感じられる.
(平成22年10月24日 執筆)