「こうすれば、こうなる」、「どうしたら、痩せる」などといういかがわしい本が氾濫するこの頃、時に「良心的な本」に巡り会うことがある。

講演会でも「何を見れば真実が分かりますか?」という質問を受ける.ネットもその一つだが、まだ書籍は真実を書いた物が出版されている。出版社はまだ良心が残っているからだ。

ここに一つの本がある。題名は、「不機嫌な太陽」というもので、スペンマルクさんが書き、青山洋さんが翻訳されている.この本の冒頭に、

「(地球温暖化で怪しげな話が多い中で)だが、本書の内容を、何の偏見も抱くことなく読み、中身を吟味してみれば、著者たちが到達した結論が、彼らの研究成果に立った強い説得力を持つものとなっていることに気がつくにちがいない。」と桜井邦明さんが書かれている

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この本は太陽活動、宇宙、宇宙線、雲などに注目した地球の気象の研究だが、その本の冒頭に興味あることが書かれている

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ある夫婦がアルプスをハイキングしていたとき、少し道を間違って古い道に迷い込み、そこで拾った矢筒を考古学者に寄贈した。

矢筒をもらった考古学者は矢筒を分析してみると、驚くことに4700年も前の物だったのである。

早速、その古い道の研究が行われ、どうやら、新石器時代(約6000年前)、青銅器時代(約4000年前)、ローマ時代(約2000年前)、中世(約1000年前)の少なくとも4回、かなり頻繁にその道が使われたことが分かった。

古い時代をさらに細かく分かれば、おそらく1000年ほどの間隔で使われていたのだろう

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この古い道と気温の関係は簡単だ。

昔からヨーロッパのアルプスを越えるのは何時も大変だった。歴史的に知られているだけでも、ハンニバル、ナポレオンなどの有名な「アルプス越え」が知られている

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地球が温暖化するとアルプスの氷がとけるので、高度が高くても近道ができるところが使われ、寒くなると遠回りでも低い場所を迂回しなければならない。

夫婦が見つけた道は偶然にも2003年の暑い年に氷が融けたところだったのである。

1000年ごとに今ぐらいの暖かい気温だった・・・これは何を示しているのだろうか? 「アルプスの氷がかつて無いほど後退している」と繰り返し報道されたが、それでもまだ「縄文時代、青銅器時代、ローマ時代、中世」より氷河は多いと言うことだ。

現代はCO2で温暖化していて、それは過去に見られないほどとされている。でも、このアルプスの小さい道、一本だけでもそんなことは間違いであることが分かるのだ。

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最初に紹介した桜井さんの文章はそれを言っている。つまり、温暖化の騒ぎより、事実をじっくり見て、それから判断するのが正しいからだ。

なぜ、人間がCO2を出していない時代から、今より温かい地球になっていたのだろうか? その疑問の一つの回答をこの本は与えてくれている

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ただ、このような良心的な本が話題にならず、ゴア氏の「不都合な真実」のような間違いだらけの本がベストセラーになるのがとても残念だ。

(平成221013日 執筆)