量販店に行くと、テレビの前にお父さんと息子がテレビを選んでいる。
「エコポイント」という奇妙なものができてもう1年以上も経つだろうか。息子が、
「お父さん、これ買うとエコポイントが3万点もつくって!」
と言い、お父さんも「そうだね。これにしようか」と応じている.
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情けないお父さんだ。私がもし小さな息子がいたら、こういう。
「何を言っているんだ。お父さんの収入が少ないからといって、他人様のお金をもらって少し大きなテレビを買うほど武田家は落ちぶれていない!」
私が父から教えていただいたこと、それも繰り返し言われたことは、
「クニ(私の名前)、貧乏は恥ずかしくないぞ。自分の額に汗して働いただけで生活すればよいのだ。もし立派な仕事をしたら死んだ後、みんなが褒めてくれる」
ということだった。
「貧乏は恥ずかしくない」と私は今でも確信があり、自分の格好や持っているものが貧弱でもそれを恥じる気持ちは起きない。親父のおかげだ。
「自分の額に汗しただけでよい」というのもその通りに実行している.そして「良い仕事は死んだ後で認められる」というのも、それでよいと思って行動してきた。
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たかがテレビを買うになぜ息子に「乞食になれ」と教えなければならないのか。もちろん、その元は現在の日本の政府が「国民に乞食が平気になるような政策=エコポイントや補助金」を推し進めているからだ。
政治家も官僚も「税金」という人のお金をもらっている.でも、おそらくは「国のために重要な仕事をしているのだから、乞食ではない」と思っているだろう.
それが昂じて、「量販店にテレビを買いに行く人は、何もしなくても税金を出して良い」という感覚になった。
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お父さん!シッカリしてください! 少しのお金を他人に恵んでもらって大きなテレビを買うより、お父さんこそ、筋を通して立派な息子を育ててください。
それが明日の日本を作ることになるのです。
(平成22年10月9日 執筆)