切ないけれど心ときめく恋愛、永遠の愛を誓う結婚式、そして甘い蜜のような新婚時代・・・どれをとっても人生の宝であり、かけがえのない思い出でもある.

やがて、子供ができ、忙しいけれどやりがいのある時期が過ぎると、つるべ落としのように時間が過ぎて初老となる。かつて、生活費にも困った若い頃とは違い、少しの余裕がでて、夫婦でお寿司を食べに行ったり、たまには旅行を楽しむこともできる。

初孫ができ、庭のツツジも咲き、そして晩年を迎える・・・

一生というのはかくのごとく過ぎ、そして誰もがやがて終わりを迎える.

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家庭というのは良いものである。毎日、一人で味気ない食事をするより、一緒に食べる人がいて人間は落ち着く.

家庭を営むと辛いこと、苦しいことも訪れるが、

・・・一人笑ふて暮さうよりも二人涙で暮したい・・・

というのが人生の本質だ。

もちろん、幸福な家庭生活に恵まれない人もいる。愛する人との結婚に失敗したり、所帯を持っても何かの間違いで借金が返済できず涙ながらに我が家を手放さなければならないこと、そして時には愛する人を失うことすらある。

人間は運不運があり、滑ったり転んだりもする.

でも「こんな人生が良いだろう」というのはある。熱い恋愛と結婚、仲の良い夫婦、子宝に恵まれ、順調な一生を送るのは悪くない。

私は病弱だったし、いろいろと波風もあったが、「どんな人生が良いと思いますか?」と聞かれれば、やはり幸福な家庭生活が中心となった人生が良いと答えるだろう。

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一つ、疑問がある。それは社会をリードするような女性が「不幸な家庭」の方が良いという本をたくさん書いておられることだ。

「事実婚」、「単家族」、「家族崩壊」、「不倫のすすめ」、「離婚のすすめ」・・・などとビックリするような暗い本を書いておられる.それも数が膨大だ.

みんなに祝福された結婚式を挙げなくても良い。大家族より小家族、そして自分だけの単家族が良い。家族は崩壊しても良い。一生に深くつきあう男性は多い方が良い、そして離婚を勧めておられる人すらいる.

どうして、こんなに暗いのだろうか?

そしてそれが新しい女性の生き方であり、理想的なのだと多くの女性の指導者は強調する.

でも、我が子が育っていくときのあの楽しみ、家族そろって食卓を囲む楽しさ、そして子供が大きくなって自分を抜いていくときの何とも言えぬほろ苦さ・・・それがなぜ「悪い」のだろうか?

本を書いて出版することのできる女性は、普通に考えると社会の指導的な人だから、もう少し家庭に対して明るく楽しいイメージを持ってもらえないものだろうか?

確かに、かつての日本の家庭は男性中心だったり、嫁姑の問題があったり、仕事と家庭の両立で苦しんだかも知れないが、自分や自分の世代で解決できなくても、それは「解決すべき問題」であり、「解決できないから家庭の方を崩壊させる」という結論は正しいだろうか?

人生は、楽しく、幸福に、平和に過ごすことができれば、それにこしたことはない。そしてそれは私たちの叡智と人格でなし得ると私は思うのだが。

(平成22919日 執筆)