1970年、銅、スズなどの多くの「非鉄金属資源」の寿命はあと30年しかないと言われた。

 だから、2000年には人類は「青銅器時代」からずっと使い続けてきた銅やスズとおさらばしなければならない!と専門家は言ったものだ。

 騒ぎが好きなマスコミは「資源が無くなる!」と叫び、庶民はあしたにもトイレットペーパーが買えなくなると錯覚してスーパーに走った。

 今から思い出すと滑稽を通り越して哀れになる。

 でも、その時は真剣だった。本当にあしたにもトイレットペーパーが無くなってトイレにも行けなくなると真剣に心配したのだ。

ううう、我慢ができない!

 ところが、それから30年。銅やスズのような非鉄金属資源の寿命が発表された。

 おどろくことに、無くなっているはずの資源の寿命は軒並み「60年」と発表された。

 30年経ったら無くなると言われた資源は、本当に30年経ってみると、60年になっていた。

 無くなるどころか、2倍になった!?

 いったいどういうことだろうか?

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 自分が「資源会社」の「社長」になってみよう.

 その会社では、そろそろ、いま掘っている銅とスズの鉱山がなくなりつつあった.だから、社長としては次の「山」を探さなければならない時期だ.

 そこで、技術者に命令して、

「いまの山はあと30年ぐらいだから、山を探してくれ。探査するお金は20億円ぐらい銀行から借りる予定だ」

と命令する.技術者はお金のことが分からないので、

「社長、30年では不安ですから、我が社の将来のために100年ぐらいは探しておきたいのですが」

というと、

社長「バカ! 銀行から金を借りると、利子を払い続けるのだぞ。第一、いま20億円借りても、30年後にしか売り上げが経たないのが分からないのか!100年など持つはずはない!」

 この世にお金が空から降ってくると思っているのは役人ぐらいしかない.多くの人は必死になって稼いでいる.

だから、100年後の山を探しても100年後から売上がたつのだから、とうてい、そんなことはやっていられない.

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 つまり、「資源寿命が30年」というのは、「資源の寿命が30年で終わりになる」というのではなく、「資源会社の社長がお金を出せるのが30年後まで」と言うことなのだ。

 まったくばからしい.そして、ここが重要だが、

「いままで、人類はお金と関係なく、資源寿命を調べたことはない!」

という厳然たる事実だ。

 繰り返す、「いまだかつて、人類は資源がどのぐらい残っているのか、調べたことすらない」のである。

 だから、今のところ、「資源は枯渇しない」ということになる。

 資源は無限だ。ある資源がなくなっても、代わりのものはいくらでもある。まったく心配ない.ドンドン、使っても大丈夫だ。

 もともと人類はいつも同じ資源を使っているのではない.科学者は何のためにいるかというと、地球が無くなるわけでもなし、無くなれば次のものを探す.

 でも、心のどこかに「資源が無くなるのではないか」と思っていると、それがストレスの一つになる.今日から資源の心配を心の中から取り去ってしまおう!