河村たかし名古屋市長は8月29日、名古屋の中心街「栄(さかえ)」で次のように演説した。

「私は10%減税を公約にして市長になった。議会が否決するなら議会をリコールせざるを得ない。私は市民から10%減税せよと指示されているのだから」

河村市長は「市長は市民の指示に従う」と常々、言っている.河村さんも民主党だが、「普天間の移設は国外、最低でも県外」と言って票を集め、権力を握ったら、高速道路も、ガソリン税も、普天間もごまかして、そのまま政権の座にいる政治家とまったく違う.

「信念を貫き、約束を守る」という政治家が今の日本にやっと登場した。

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河村たかしという名古屋市長は本当にたいした人物である。このような人物はおそらく200年とか300年に一度しか出ないと思う.

「信念を持っている人」、「ぶれない人」などというが現実には、時々刻々と変化する事態に右往左往するのが常だ。

彼は衆議院議員時代から「お金が欲しかったら商売をする。国をよくしたかったら政治」と言い、「政治をするときにはお金はいらない」ということを貫いていた。

そして、「税金を払う人が苦しんで、税金をもらう人が楽をするという社会は間違っている」と選挙中も言い続けた。

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そして名古屋市長になった。

衆議院議員をやめるときに、1億円の年金の受け取りを断った.「政治家が豊かになったら、お金のために地位にしがみつくようになる」という彼の信念がまたここに発揮されたが、それでも「1億円」を信念のために棒に振る人は、ほぼ皆無だ。

偉い!!

名古屋市長になって、年俸800万円に下げた。このことで4年の任期が終わった後、河村市長が受け取るお金はあれやこれやで「1億2000万円」少なくなった。

合計2億2000万円だ。これだけのお金を放棄できる政治家が今の日本にいるだろうか?

そして市長の車も軽自動車にしたいという彼の提案は、市議会で否決された。市長には「権威」がいると市議会は言うが、河村市長は「市長にいるのは権威ではなく、庶民と同じ生活だ」という信念だからだ。

「日本のため」といい、「我が身を捨てて」と言う.その裏で「お金をもらい、豪邸を建て、子分にお金を配っている」というのでは、信念でも何でもない。

政治家は豪邸に住んではいけないのだ。

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ところで、名古屋市民税10%減税法案は、2009年11月の名古屋市議会で「可決」した。

ところが、その後、河村市長が「市議報酬を半減、定数半減」という提案をすると、それの恨みから自分たちが2009年11月に可決した10%減税法案を、2010年の一年だけにすると修正した.

減税は市民に関係することで、議員定数や報酬は自分たちだけのことだ。つまり「市民に犠牲を強いても自分たちだけはお金をもらいたい」というのが名古屋市議会だから、それを名古屋市民が支持するはずもない。

リコール署名活動は1ヶ月で36万人以上を集めなければならないので、その正否は不明だが、名古屋市民の80%が市長を支持しているという厳然たる事実がある.

市議は自分たちでは気がついていないが、すでに笑いものなのだ。

(平成22831日 執筆)

(注:一部マスメディア(朝日新聞)などは、「市長も選挙、市議も選挙で選ばれているから市長も市議の声に耳を傾けるべきだ」と市民に呼びかけているが、錯覚してはいけない.10%減税(恒久)を議決したのは市議である。その市議が自分の報酬を減らされると知って、市民の10%減税を1年限りにするという卑劣な行為に出たのに、それを朝日新聞はごまかそうとしている。名古屋で朝日新聞を取るのは市議とその関係者だけになるだろう.)