かつて、明治時代は日本はヨーロッパに比べると、とても貧乏な国だったのですが、「国を作るには人だ」ということで、教育に力を入れました。
その結果、かの大英帝国より、我が日本の方が文盲率が低いと言われるぐらいになりました。
ところが、その後、日本人は少しずつ何かおかしくなったのではないかと思いますが、「教育よりお金」を選ぶようになっていったのです.
そして、ついに現在ではOECD、つまりいわゆる「先進国」の中で、国民総生産に対して教育費をどのぐらい使っているかという指標では、ほぼ最低の国になってしまったのです.
教育はお金だけでは無いのですが、現在の日本の教育は、施設、教員の待遇、生徒や学生の人数などあらゆる面で褒められた状態ではありません.
「お金持ちでも、教育の貧弱な国」・・・残念ながらそれが現在の日本なのです.
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そんな状態なのに政府は景気対策で「エコポイント」でお金をばらまくという政策を採っています.
もともと政府のやる仕事は、お金をばらまくのではなく、国全体のことをするのですから、「教育」は最優先のはずです.もしエコポイントに出すお金があるなら、先進国の中で際だって貧弱な日本の教育にこそお金を出すべきでしょう.
「子供手当」というのも出していますが、これも「学校の教育を良くしよう」というのではなく、親に現金を渡すということだから、感心できるものではありません。
さらにいくつかの不都合なことを含んでいます。
「エコポイント」は、本来、「自分のお金で買える範囲でテレビを買えばよい」のに、他人のお金を恵んでもらって大きなテレビを買おうというのですから「日本人、乞食化政策」です。
「子供手当」は、子育ての苦しい時期に少し税金を免除するという控除から、「現金を渡す」ということになったのですから、これも「日本人、乞食化政策」です。
また、私は福祉を軽んじろと言っている訳ではないのですが、どちらかというと老人の福祉に国家のお金を投じるより、これからの若い人の教育に投じる方が日本人としても嬉しく思います.
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今の日本の少年少女は、小さい頃にはお母さんから「節約!縮こまれ!」と叱られ、中学校ぐらいからはテレビなどで「日本の将来は真っ暗」とばかり聞かされ、しかも学校の教育は貧弱という環境の中にいるのです.
こんな状態で「将来の日本をしょって立つぞ!」と頑張る若者が出るはずもありません.
この際、大人が襟を正して、自分の力で得たお金で生活をする覚悟をし、政治家もお金をくれる人のところに集まらず、誠実みのある日本を作り、その上で、教育を重視したいものです。
私は、私の世代で日本人が絶えると分かっていれば、おそらくなにをする意欲もわいてこないでしょう.未来というのはそれほど人間には大切なことと思います.
(平成22年8月27日 執筆)