この宇宙は140億年前に、「暗闇」から突然、「ビッグバーン」という爆発が起こり、「できた」と言われています.

この説明は誠に「納得できる」ものですが、「宇宙の誕生」などのように日常的な生活とあまりに違うことを考える時には「わかりやす過ぎる」という欠点があります.

「宇宙」のような規模のことでは、「物質がエネルギーに変わる」とか「時間が誕生する」などという日常生活では考えられないことがいくらでも起こるからです.

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「どうも、宇宙というのはいくつでもあるのではないか」という疑問が今から30年ほど前に出てきました。もちろん単にボヤーッと考えたのではなく物理の式を研究しているうちにでてきたものです。

簡単に言いますと、「宇宙は1万ヶぐらいあり、それぞれの宇宙を作っている物質が違うので、おなじ場所に違う宇宙が共存できる」ということです。

これをユニバース(たった一ヶ・・・宇宙という意味)という用語ではなく、マルチバースと言います。

そうなると、自分の体とおなじ場所に別の人の体があっても気がつかないということです。

「そんなことはない」と思う人が多いでしょうが、地球が丸いということが分かったときにも、「丸かったら下に向いている人は落ちてしまうじゃないか」と理解はできませんでした。

確かに、「丸い」という時には地面が上にあって人間が下を向いていたら、暗い宇宙に墜落すると思うのが普通で、「ぶら下がって生きていける」などあまりに奇想天外で考えられないでしょう。

でも、今では「丸いのだから、どこかに下を向いている人がいる」と言っても「万有引力があるから」とか、「その人にとってはいつも上を向いている」という反論があって、「なるほど」と思うものです.

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このように、科学的に大きなことは「日常生活の感覚で判断してはいけない」ということです。

さて、今までは「時間も場所(空間)」もないところに、突然、爆発が起こり「時間と場所」ができた。今でもドンドンできている・・・と説明されていました。

そして、これから100億年も立つと、最初の爆発のエネルギーが無くなり、宇宙が膨張すること(空間ができること)と時間が増えることが終わりになり、そのまま凍り付いたようにそのままになっていると理解されていました。

この説明もある程度は合理的ですが、何もないところに突然、宇宙ができたとなると、誕生するときにエネルギーは「その前」に「どこに」あったのか?とかいう質問がでるでしょう。

「宇宙ができる前は「時間も場所もない」のだから、「いつ、どこで」という質問自体が無意味」と答えると、「そんなことを言うなら、ビッグバンなどというわかりやすい説明をするな」と言われて、物理学者もギャフンとしてしまいます。

それよりかは、宇宙は何万個もあって、それぞれ違う物質でできている.もしかすると、素粒子の素粒子はおなじかも知れないけれど、我々の宇宙が「水素」などでできているとすると、まったく違う物質でできているからぶつからないと説明した方がよいということになりつつあるということです。

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宇宙のことが私たちの生活に直接、影響があるものを二つあげます.

一つは「お化け、パワースポット、都市伝説」などで、私たちの宇宙もある場所では他の宇宙の影響を受ける場所があるかも知れません。

自分で分からないものを分かるように言ってはいけないので、「幽霊を信じますか?」と聞かれると「今の科学では分かりません」と答えています.

もう一つは、「節約はできない」ということです。

宇宙は時間と空間が膨張していて、その一部の地球、そして人間も「時間と空間」が膨張しています.だから、いくら頑張っても「時間」、つまり「お歳」を重ねるとともに「お肌が荒れてくる」というわけです.

これを難しい言葉では「エントロピーの増大」と言って、地球全体でおなじスピードで増えていきます.だから、誰かが節約すると、その分だけ誰かが浪費しないと地球全体の収支決算とあわないからです.

エントロピーというのはお金のようなものですから、1ヶ月に100万円を使わなければならない(貯金はできない)時には、1人が40万円なら、もう1人は60万円ということになります。

40万円使っていた節約家が30万円にすると、もう1人は無理矢理70万円使わなければならないということです。

人間の生活はそれほどひどくならないと私は考えているのですが、その理由は地上に住む生物は地球全体が毎日、増やしているエントロピー分だけしか活動できないからです.もう少し難しく言うと、地球の温度が上がり、宇宙へ熱を多く出すようになれば、その分だけ人類の活動を増やすことができるから、さらに快適になると思っています.

(平成22822日 執筆)