100歳以上の方の生死が分からない、父母の死を知らない、父母の年金を当てにする老齢の子供たち・・・衝撃的なニュースが流れる.

東京都知事は「日本国民も落ちるまで落ちた」と論評し、テレビのコメンテーターも一斉に嘆いている.

でも、嘆く必要はない.父母の死を知らず、父母の年金を当てにする国民こそ「私たちの希望」だったのだから。

私たちは一所懸命になって、父母との関係を切り、乞食になることを望んできた。そして「父母を大切に、額に汗して働いただけでよい、貧乏は恥ずかしくない」と主張する人を排斥してきたのだ.

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60年前、戦後にできた教育基本法には、「父母、家庭、兄弟」などという用語は一切、削除され、「個人」が大切とされた。

平成17年に改正された教育基本法には「男女平等、国家と郷土の愛」は示されたが、やはり「父母、兄弟、家庭」は無視された。

教育基本法で国民に教育することは、その国家の意思である.だから、日本国は60年前から「父母、兄弟、家庭」を軽んじ、それより「個人、平等」などを重んじてきた.そして、その通りになり、父母の死を知らない国民となった.

都知事がコメントするなら「父母を大切にする戦前の日本の道徳をやっと撲滅することができた。これこそ我々、政治家が戦後、一貫して目指してきたことだ」と言うべきである.

そして、我々、国民も「個人、平等、子供無視、父母無視、兄弟無視」の社会を希望し、実現すべく、選挙や日常生活で必死に努力してきたのである.

いまさら、父母が死んでいるのを知らなかったと言って、嘆くことはない.それこそ我々の希望だからだ.

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「子育て資金」を出し、その現金をお母さんが子供の前で数える.大臣は「これからは子供は社会が育てる」と言う.

「エコポイント」というお隣さんのお金を使ってテレビを買う。テレビのようなものを買うのに他人様のお金をもらい、乞食をしても、それを恥じない人たちが今の普通の日本人だ.

補助金をもらわないで仕事をすると損をした気分になるという実業家が多い.補助金をもらうのも乞食だ。

子育て資金を受け取り、エコポイントを使う日本人が、なぜ「父母の年金を狙う」のが悪いのか?

今や、日本人はできるだけ自分が働かず、他人のお金をせびって生きる、そんな理想を持っているのだ。

それも我々の希望だった.そして、その希望が達成されようとしているのに、テレビのコメンテーターは眉をひそめる.

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私は、家族の大切さ、父母を尊敬すること、子供は宝であること、託児所を作るなら子供に希望を聞けと言ってきたが、その反撃は強かった。

そんな私にとって、今回の事件は感慨深い.日本人が日本の文化を思い起こし、より劣等なヨーロッパ、どうにもならないアメリカの文化から一時も早く離れて欲しいものだ。

(平成2285日 執筆)