国政選挙が行われるたびに思うのだが、実に民主主義と国政選挙は素晴らしい!

なにが素晴らしいかと言って、まず第一に「開票速報」そのものが面白い。サッカーのワールドカップも今回は面白かったが、選挙の開票速報は、毎回、面白い。

この頃のテレビで一番、楽しく見ることができるのは開票速報ではないだろうか。

「やらせ番組」や「おしつけ教育番組」が多い中で、開票速報は「事実がそのまま報道される珍しい番組」だからだろうと思う。

そして、第二は「選挙結果にいつも驚かされる」ということだ。一人一人の判断力を遙かに超えて、まさに「事実は小説より奇なり」で、その事実がまたとてもバランスが取れているし、深く考えた結果が見事だ。

人間は集団性の動物で、寝ている時にテレパシーを交換している(もう少し科学的に言うと、昼間に目にしたり耳にしたりした情報を、なにか共通のプログラムで処理をしている)のではないかと思うぐらい、情報を共有しようとしているように思う。

だから、選挙結果を見ると、選挙前は1億人の有権者の議論が明け方に行われているようにでもある。

それはともかく、今回の選挙で民主党が負けたのは、単に国民が「人は信頼が大切なのですよ」と言っているだけだろう。政治に信頼性が必要なのは当たり前だが、その前に「人間としての信頼性」がもっとも大切だという結論のように思う。

2009年の衆議院選挙では、自民党が「消費税10%、財政立て直し」と言ったのに対して、民主党が「節約、増税なし、ばらまき」を政策として訴えた。

この2つの路線はまったく違う。自民党の政策は「国家予算もそこそこ正しく使われているから、国債で使っているお金を税として正しく使いたい」ということであり、民主党は「無駄なお金を使っているので、それを節約すればバラマキはできる」と言った。

そして「事業仕分け」というのをやり、「増税なきバラマキ」を実現しようとしている。税の正しい運用ではダメなら、まずそれを言ってからでないと、どうにもならない。

そこで首相が「消費税10%」といえば、消費税を上げるのが良いかどうかの前に、「言っていることが信用できない」ということになる。

鳩山政権は「言っていることとやっていることが正反対」という不信感でつぶれた。あの普天間のウソさ加減に国民はほとほとイヤになったのだ。

さらに鳩山・小沢にお金の疑義があるのに、そのままにして進めようとしてもそれは無理だ。

国民は菅政権に「力はどうでもよい。少なくとも信用できる言動をしてくれ」と期待したら、「消費税10%」というのだから、それは信頼されないのは当然だ。よく44人も選出されたと感心する。

国民は我慢強い。

・・・・・・・・・

民主党が本当に信頼できる党になるためには、もう一つ克服しなければならないことがある。それは鳩山政権の時に民主党内に批判勢力ができなかったことだ。だれもじっと黙っていた理由を公表することだ。

あのとき、将来の党の中心になると思われる若手首脳部が能面のような顔をして答弁し、ほとんど鳩山批判、小沢批判をしなかった。鳩山政権の支持率が下がったから菅政権に変わっただけで、民主党の内部からの批判ではなかった。

「民主党」が本当に「民主主義」なら、「政治と金」について2人に対して異論があったはずだし、それが国民の見えるところで議論がでたはずである。

その点で、郵政選挙、造反組などがいた当時の自民党の方が、支離滅裂だったが、それでも国民から見ると民主主義だった。

このままいけば民主党はますます信用をなくすだろう。今のところ、民主党で信頼できる議員は見あたらない。

(平成22714日 執筆)