大雨と洪水についての反響が大きかったので、少し追補する意味で解説を書きました。

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日本は島国で周囲を海に囲まれている。また山が高く雲が山に引っかかったり、湿った暖かい風が寒気団に衝突したりして、一年に何回か大雨が降る。

かつて大雨で、時に泣き、時に命を失った。でも、地面は土でできていて雨が降るごとに自然に作られる小川や河川が水を運んでくれた。

でも、都市をコンクリートで作り、河川を暗渠にする時代になると、その自治体がある場所の排水量をどのように計画するかによって、そこの住民の被害が決まるようになった。

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梅雨の後半に降る豪雨は狭い場所に、短時間に集中的に降る傾向がある。今までの長い日本の歴史で梅雨の後半の集中豪雨で多くの人が泣いた。

2010年の福島県の被害は雨量45ミリだから豪雨と言えるかどうか分からないが、店が水没したお寿司屋さんから見れば残念至極に相違ない。

読者の方からの情報によると郡山市は雨量35ミリで下水道整備をしていたという。年々、都市化が進み、舗装率も高くなり、庭も少なくなって来ている都市では、雨に対する防御は自治体のもっとも重要な仕事の一つだ。

私はCO2による温暖化、それに伴う気象変動などについては異なる考えをもっているが、もしCO2で温暖化し、それによって郡山市の雨量が多くなることがあっても、CO2を4%しか出していない日本はどうにもならない。

アメリカと中国が世界のCO2の約半分を出しているし、中国は年々、日本の総排出量の半分を増やしているのだから、日本がCO2をゼロにしても、2年経ったら中国がその分を出すことになる。

だから、郡山市の市民の運命はアメリカと中国が握っていることになる。

私が郡山市の経営アドバイザーだったら、「温暖化防止も大切だが、より大切なのは、温暖化したときにいかにして市民を守るかだ」と言うだろう。

イヤ、名古屋市の経営アドバイザーになって以来、「世界市民より名古屋市民を守れ」と言っているけれど、市役所はまったく聞く耳を持たないのだから、他の市のことを言える資格はないが・・・

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名古屋市はもちろん、今度の豪雨の郡山市や、レジ袋追放に見られる川口市のように、市議会や市役所が市民の安全と快適な生活を守ろうとしなくなって久しいが、利権と保身にやっきとなっている彼らに多くを期待できないだろう。

むしろ、市議会と市役所の権限と予算を少なくして、地域ごとに対策を練った方がずっとましな住環境ができるような気がする。

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このような頼りにならない自治体に応援部隊を送っているのがマスコミだ。

マスコミはなぜ豪雨によって地方が被害を受けているか、それは自治体が「温暖化防止」などと寝言を言って、現実の危険に対して手を打ってこなかったことをまったく報道しない。

「ゲリラ豪雨」という名前をつけ、あたかもそれが予想もされない事態であるかのごとくに危機をあおっている。35ミリの雨がなぜ異常なのか、どこに問題があるのかについてまったく論評を避けているのだ。

ところで、NHKは今回の浸水事件について、

「なぜ、全国でこのような豪雨が頻発するのかは実はよく分かっていません」

と放送した。しかし、梅雨の末期に1時間100ミリの雨が降ることは十分予想されるし、郡山のように50ミリ以下の雨は豪雨とも呼べない。

それで被害が起こった場合、住民は市に対して不作為による損害賠償を請求するべきだろう。

マスコミは市民のための情報を提供する必要がある。特にNHKは受信料を払っている人たちのためにあるはずだから。

(平成22710日 執筆)