温暖化すると台風やアメリカのハリケーンが大きくなり、大変なことになると言われて久しい。温暖化脅威論の人たちのデータによると20世紀はすでに世界で1℃近くも気温や水温が上がっていると言う。

これまでのNHKの報道が正しければ、100年間に熱帯性低気圧が増えているはずだ。

そこで、G.Love, WMOのデータ(吉野正敏先生「温暖化と生きる」から)を見てみよう。

Landsea2007glove_wmo

図の横軸は西暦で、縦軸は熱帯性低気圧の発生数である。まだ温暖化が進んでいない20世紀の前半はグラフでは100になっている。それが温暖化が進んできた1980年代以後、かなり少なくなっている。おおよそ3分の2だ。

つまり、このグラフを見ると、「温暖化が進むほど、熱帯性低気圧の上陸数が減少する」ということになる。

この傾向について、「温暖化で台風が増える」という計算と逆だから、「1960年代に気象衛星が上がって測定が精密になったため」という解釈もあるが、自分の目的に合わせてデータを適当に解釈するのは科学的態度ではない。

たとえば、このほかにも気象衛星の観測値には、「上空気温」があるが、この場合は上空気温が上がっていないので、「測定データに誤りがある可能性がある」と国立環境研究所は言っている。

つまり、自分たちの計算と合わない測定データはすべて「データがおかしい」としているので、こんな解釈は無視しよう。

そうすると「温暖化すると熱帯性低気圧は減る」ということになる。これまで盛んに「温暖化すると台風が・・・」と脅してきたNHKの報道は事実に基づいていないこと、多くの国民をだましたことがわかる。

Noaa

同じブログに、アメリカ合衆国のハリケーンによる被害額のデータがでている。それがこの図であるが、温暖化とともにハリケーンの上陸数は減っていて、さらに、一つ一つのハリケーンの大きさも変わっていないのだが、ハリケーンの被害額だけが大きくなっている。

特に温暖化との関係が強調された2005年のカトリーヌとリタの被害が大きい。

これらの結果を素直に見れば、「ハリケーンの上陸数、大きさなどは変わっていないが、都市の構造がハリケーンに弱くなっている。つまり、この場合は、ハリケーンの被害の増大は「人災」である」と結論される。

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今年の夏はインド洋の水温が暑いので、そこから偏西風にのってやってくる湿舌の温度と湿度が高い。そこで梅雨前線との相互作用で各地に豪雨や夕立が降っている。

同じ原因でアメリカやヨーロッパの6月は暑かった。

都市を造り、舗装して全面的にコンクリートで覆って樹木をなくせば、雨に対してきわめて弱くなる。気象の記録を見れば、1時間に50ミリを超える雨はよくあることであり、それで床上浸水をするような都市計画は「計画」とは言えないだろう。

2010年7月初旬の雨による東京の被害は、まさに「東京の人はなんとアホなのだろう」という感じがした。

都知事の責任を問う声が出ないのが不思議だ。都知事は「ツバルが沈んでいる」などと間違いを言って都政を指導してきたが、50ミリを超えるような雨がくるとツバルどころか東京が沈んだ。

「温暖化で豪雨がくる」と良い、「全てを舗装し、下水道で水をさばく」という方針なら、こんな杜撰な都市計画も無いだろう。

あれほど「温暖化、温暖化」と叫んでいた人が、自分の住む東京すらちょっとした雨で守れないとは情けないことだ。

私は常々「温暖化で東京に住んでいる人は発言権がない」と言ってきたが、今度の東京の災害はまさにそれを示している。都民は国政と都政に疑問を持たないと生活を守ることはできないだろう。

NHKの「ウソ」に基づく対策はどのぐらい見当外れになるか、国民に被害を与えるかを実証した今年の梅雨だった。

(平成2274日 執筆)