マイ箸を推進しているNPO、紙や段ボールをリサイクルしている団体、森林保護運動を展開している人・・・なんとなく「善人」に見えるけれど、自然を守るという点ではもっとも「心ない人たち」なのだから、環境を守るということは難しい。

このような運動のために、今、日本の森林と森の動物はあえいでいる。

環境省も、また運動をしている人たちにも、樹木や森の動物たちの叫び声は聞こえないのだろう。

また、最近では花粉症に悩む人も多いが、これも「心ない人たち」の犠牲者と言っても良いし、時々、里山に降りてきて猟銃で撃ち殺される森の動物もまた犠牲者だ。

罪作りな人たち、心ない人たち、その人たちはあるいは錯覚し、あるいは自然を知らず、そして自分は善意の衣を着て、あたかも良いことをしているように人を説得し、それによって起こる惨禍には目を向けない。

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4年ぐらい前、日本の製紙工業界は紙のリサイクルが行き過ぎて日本の森林が傷み、リサイクル紙製造のコスト高もあって、再三、環境省に「日本の森林を使った製紙」にリサイクル並みの取り扱いをするように求めた。でも、環境省は次の理由で断った。

「自然のエネルギーを使うとは、なんと言うことか! 石油を使いなさい。日本の森林は国土に降り注ぐ太陽の光で成長している。そのような貴重なものを紙に使うなど滅相もない。石油を使ってリサイクルしなさい。」

太陽電池を進めている環境省の指導としては、とうてい理解できない論理であるが、ともかく環境省は日本の森林の利用を認めなかった。

「自然の利用」は「捕鯨」を含めてすべて禁止というのが環境省の考え方だ。

ここは一つ、今までのいきさつを捨てて、自然を勉強してもらいたい。森と動物は次のようになっているのだ。

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農水省は戦争ではげ山になった日本の山にほぼ無計画に杉や檜といった針葉樹を植えた。

針葉樹は、栗などの広葉樹と違い、ドングリなどの木の実を育てない。だから、杉や檜の人工林には森の動物はエサがないので生きていくことはできない。だから、人里近い広葉樹の森や、畑に近づいた。

そして、時に民家に紛れ込み、猟銃で撃たれた。彼らには行くところがない。

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日本のような世界三大森林国では、人工林と自然林の割合をほぼ1:1にして、人里の近くに人工林、山奥に自然林を配置する。そうすると、人工林の方は30年ぐらいをめどに樹木を切り出し、それを材木として利用する。

材木になるまでに間引き、枝打ちなどをするが、これも人里ちかくなら可能である。そして端材は「割り箸」、「ベニヤ」などに利用することもできる。

山奥に行くには人工林を通過してさらに奥に行かなければならない。その人工林が「人里」と「森の動物の領域」の境界を作り、「自然との共生」を実現する。

人工林の方は、成長期が終わったらCO2の固定率が悪くなるので、そこで伐採する。そうするとまだ完全には成熟していないので、花粉も多く飛ばすことがない。

花粉を盛んに出すのは、樹木としてはすでに自分の成長期が終わったので、花粉を出して子孫を作ろうとしているのだ。

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ところが、ここに「心ない人たち」が登場した。

多くの人は善意なのだから、「心ない」という言い方は少し酷だが、あまり長い間、日本の森林と森の動物を破滅させる運動を続けているので、ここで「心ない」ぐらいの厳しい言葉を使用すべきだと思った。

彼らは「間伐、枝打ちはするな」と言ってマイ箸運動を展開し、「太陽エネルギーを利用するな(成長した樹木を切るな)」と言って紙や段ボールのリサイクルを始めた。

リサイクルでは、樹木からとる紙や段ボールと違って太陽エネルギーを利用しないので、樹木(パルプ)からとる紙の2倍の石油を使う。

かくして、材木にならない杉や檜が森に生えている。彼らは枝打ちも間伐もされていないので、材木としては価値がない。でもすでに成熟して子孫を残さなければならない。

そこで、毎日、むなしく花粉を飛ばしている。それを見て、また「これはお金になる」と感じた研究者が「花粉のでない杉」という変なものを作り出そうとしている。

このような進み方を「マッチ・ポンプ」という。自分で放火し、火事になると自分で消防車を運転して火を消す・・・そういう行為を言う。

マイ箸運動家もマッチ・ポンプだ。まずマイ箸運動を展開して、間伐も間引きもできなくして、日本の森林をだめにした。

日本で割り箸を作れないので、ロシアや中国から材木になる木を割り箸として輸入することになり、それは外国の森林を無駄に使う(本来は日本の間伐材で作れる)ことになる。

さらには高価なマイ箸を首にぶら下げて、「私は日本の森林を破壊しました」と威張っている。

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何でこんなの森の動物や森林を傷めたいのだろうか? 環境省にねだれば乞食のようにお金がもらえるのだろうかといぶかる。

日本が森林国であること、樹木は毎年、育つこと、間伐と枝打ちが必要なこと、人工林と天然林の関係、そして森の動物の生活・・・こんな小学生でも知っている知識を簡単に組み合わせれば自分の行動が自然を破壊していることがわかるはずだが。

(平成227月2日 執筆)