世論操作で「温暖化を煽り」、それによって「原子力発電を進めよう」という計画はかなり総合的,戦略的に進められてきた。
中心となった役所では、内閣府,経済産業省,それに環境省である。
学術的な意味で協力したのは、東京大学、国立環境研究所、日本学術会議、そして文部科学省である。
そして、世論操作を担当したのが、NHK、朝日新聞、その他のマスコミだった。それに「職業の魂を売った記者,カメラマン,学者」が続いていた。
地方自治体、教科書会社、環境NPO、さまざまな経済団体などがそれに応じていた。
しかし、魂のない地方自治体ぐらい「末端」になると、中央の戦略には参加させてもらえず,ただ、お金のおこぼれなどを期待していた人や、自分自身がNHKの世論操作に巻き込まれて,心の底から「温暖化は怖い」と思っている人もいた。
世論操作の実態・・・
NHKの報道の中でも「完全なヤラセ」の番組が2006年に放送された。その番組の名前は「NHKスペシャル「同時3点ドキュメント」第4回「煙と金と沈む島」と題したもので、2006年4月40日の日曜日、総合テレビで午後9時から9時40分というゴールデンタイムに放送している。
2008年にでたNHKの環境活動報告に「番組ではツバルが浸水の危機にさらされた2006年2月21日から3月1日までの9日間、3地点を同時進行でレポートしました。」
とある。続いて
「ツバルは温暖化の影響で、世界で初めて消滅すると危惧されている南太平洋の島国、2月下旬の大潮で、過去最大の浸水に見舞われました。全土で噴き出した海水で、多くの家が床上浸水しました。」
と書かれている。
NHKはツバルが大潮(一年でもっとも満ち潮が高い時)をあらかじめ狙ってアメリカ,中国、ツバルへ撮影クルーを派遣している。
つまり、最初から予定した行動であって、文章にあるように「過去最大の浸水」という事件があったから取材に飛んだと言うのではない。
また「過去最大」と行っても、70年前まではアメリカ軍が飛行場を作っていないので、ツバルはもともと大潮の時に全面的に海の下に沈んでいることもNHKは知っていた。
これはツバルを紹介する一般的なものに書いてあるから受信料を使って大勢の人が行くぐらいだから,当然、判っている。
NHKの言う、「過去最大」とは、ここ10年ぐらいだろうが、それでもデータはシッカリしていないはずだ。ツバルは「床上浸水の記録」などはそれほどシッカリしていない。
もしツバルの記録を正しいとするなら、ツバル測候所のデータでは海水面は低下しているからである。
NHKの「過去」はせいぜい10年だ。
この報告書にはNHKがいつも使う「浸水した家屋」の写真があり、膝まで浸かった男が歩いている。一体、どこを撮ったのだろうか?
そして、「全土で噴き出した海水で、多くの家が床上浸水しました」とあるが、おそらく取材はファンガファレ島で行われたと考えられるが、全土に海水が「噴き出す」などということはない。
もちろん,サンゴ礁は多孔質なので、海水が上がってくるときには穴から「噴き出してくる」のは確かだが、他の撮影記録から見るとウソだろう。
ところで、この番組と報告書で悪辣なのは、番組を担当した松本卓臣というディレクターが、
「地球温暖化防止のためにはまず、温暖化が現実のものであるという前提に立ち、自分たちひとりひとりに何ができるのか、考え続けることが大切だと思います。」
と書いている。
世論操作をしようとする人は『操作』だから自分自身はよくわかっていて、他人を錯覚に陥れようとしている。だから、この場合も本人は温暖化など何の問題もないと考えている。
その証拠にNHKは1990年を基準にしてCO2(正確には電力)を80%も増やしている。日本全体が京都議定書で6%減らそうと必死で、それをNHKも呼びかけておきながら,自分は80%の増加というのだからすごい。
でも、人間はある信念があれば、少しぐらいの矛盾は平気になる。NHKは「世論操作」という信念がある。
だから、事実はどうでも良いので、「ツバルが沈んでいると報道して、まずは日本人を怖がらせる」というのが目的だからだ。
世論操作でNHKはあらゆることをした。
まず、「政治経済の興味のある男性」向けには2007年に日本の洞爺湖であったサミットに向けて、その半年ほど前から、
「地球温暖化が最大のテーマになる」
という枕詞をかぶせて、ニュースなどで繰り返した。
洞爺湖サミットは、それから2ヶ月して起きたアメリカの金融崩壊が最大のテーマで、すでにサミットの4ヶ月前からアメリカと中国,ヨーロッパの間に最大の関心事になっていた。
次に、芸能界向け・・・芸能人が発言することによって女性層を狙ったものと考えられるが・・・には紅白歌合戦を使った。
紅白歌合戦というのは芸能人にとって「出場すればギャラが上がる」ということでは切り札だから、芸能人はNHKの悪口を言いにくい。その紅白歌合戦で女優に、
「ツバルは温暖化で沈んでいる。それはツバルの子供たちも知っている」
と言わせた。これを聞いていた芸能人は「温暖化を言わないとNHKの機嫌を損ねる」と思ったのは想像に難くない。
次に幼児を狙って「みんなの歌」で「ホッキョクグマ」というのを作った。これはすでに私の本(「温暖化謀略論」、ビジネス社)で詳しく書いているが、事実とまったくことなる詩を「歌」という形で書き,それを見た3歳児が涙を流していたという。
洞爺湖サミットと言い,NHKスペシャル、紅白歌合戦、そしてみんなの歌と国民放送NHKが総出で世論操作をした。
一連のNHKの世論操作が終わると、日本人はすっかり洗脳されて,「地球温暖化について考えてはいけない。とにかく一刻も早く、自分でもできることをしなければ」という焦燥感に駆られるようになった。
それをさらに増幅するために、2008年頃には、
「あなたに何ができますか?」
と呼びかけ、さらに2009年には、
「今のエコでは間に合わない」
という短いテロップを毎日、何回となく流した。
これで国民の洗脳は完了し、後は政策の段階になった。
それが「勤労者一人200万円」ですでに政府レベルでは「異論をだせない」という状況になっていた。
戦争前と同じである。これが広島,長崎,沖縄、そして東京大空襲の悲劇を生んだ。
(平成22年6月10日執筆。11日一部修正)