民主党の小沢幹事長がお金の問題で不起訴になったが、検察審査会で起訴が適当との判断が出されて、マスコミを大きく賑わしている。
民主党の鳩山党首はお母さんから子ども手当を月々1500万円の貰っていたのに、証拠不十分で不起訴になった。
司法は司法で判断するのだが、立法や行政は「法に触れなければなんでも良い」という訳にはいかない。国民から徴税する責任者としての首相としては「脱税ギリギリ」など許されるものではないからである。
それを国会で追及された首相は、「裁判所に提出した書類をコピーするのを忘れた」と回答し、不起訴になった途端、「プライベートなことだから書類は出さない」と替えた。
実に愚劣な言い訳で、おそらく首相と弁護士が必死に考えた言い逃れだろう。そんなつまらないことに時間と頭を使わず、もっと日本のために考えて欲しいのだが。
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ところで、民主党政権のあれやこれやを書いたら限りがない。ここではまったく異なる視点からこの問題を考えてみたいと思う。
2009年夏、日本はこれまでの自民党政権から、国民は民主党政権を選び、300議席という議席を与えた。民主主義なのだから、「国民は民主党を選択した」という事実は変わらない。
でも、なにが間違っていたのだろうか? わずか半年ほど前に、これほど民主党というのは愚劣なのかと何で判らなかっただろうか? 私たちはバカなのだろうか??
1) 民主党が素晴らしいと錯覚した私たちがバカだった、
2) マスコミが民主党の事実を報道しなかった、
3) 選挙に行けと言われ、自民党がダメなら民主党に投票せざるを得なかった、
も3つぐらいが主な理由だろう。
私たちがバカだったということもある。
たとえば、昨年の2月頃には民主党は小沢幹事長が表面に立っていたが、選挙のための目くらましに小沢さんは「選挙に専念する」ということで表舞台から去った。このことで、我々は「民主党の金権体質は無くなった」と誤魔化されてしまった。
また、子育て資金、高校無料化、高速道路無料化などばらまき政策をするけれど、税金は減るという甘言に誤魔化された。こんなことで誤魔化されるなら仕方がない。
マスコミも責任があるだろう。
マスコミは庶民より正確で早い情報を得られるはずである。そのためにマスメディアがあり、多くの記者はいるし、「番記者」なるものもいるぐらいだ。その人達はなぜ「小沢金脈」、「鳩山のお母さん」を知らなかったのだろうか?
マスコミには論説委員がいる。その人達は、「ばらまき政策と緊縮財政」が不可能であることを指摘しなかったが、それはなぜだろうか?
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私は「投票に行くことは大切だ」とは思っていない。我々の代表としてふさわしい人材が自分の選挙区にいなければ投票するべきではないと考えている。そしてほとんどの人が投票しなければ、それに対する批判や議論がでるだろう。
ほとんど政治ができないような議員もいた。そして500人に近い議員など日本では多すぎるので、粗製濫造になる。
また小選挙区という「国民が候補者を選択できない」、「議員は政党の陣笠にしか過ぎない(人を選ぶのではなく政党を選んでいる)」ような制度自体にも私は批判的だ。
もし、政党を選ぶなら選挙区もいらなければ、人もいらない。また議員すらいらない。単に政党本部があって、その得票数だけで多数決を決めたらよいからである。
わかりにくいと思うが「バーチャル議員」で、実際には多数決を「人数」できめるのではなく、各政党が持っている「持ち票」で決める方式だ。
「党の指示に従わなかったからケシカラン」といって党議拘束や、除名するなら、人間はいらない。
今、問題になっている国会のことは、実は私たち自身の未熟さによると思う。なんと言っても半年前にこんなに大きな判断間違いをしたのは私たち自身だからだ。
(平成22年4月28日 執筆 音声付き)