1945年4月12日、第26代アメリカ大統領、フランクリン・ルーズベルトは脳卒中で急死した。享年63歳。

若き頃、ポリオを患い車いすの大統領だったが、アメリカ史上、唯一4選された大統領でもあった。

第二次世界大戦の時の彼の仇敵、ドイツ第三帝国のアドルフ・ヒットラー総統は、同じく4月30日のベルリン陥落の日に、愛人エヴァ・ブラウンとともに自殺している。

(1945年4月は第二次世界大戦の末期で、ドイツはベルリン陥落の直前であり、日本では3月10日の東京大空襲と8月6日の広島の原爆投下の間に当たる。アメリカ大統領がルーズベルト、イギリス首相がチャーチル、ドイツがヒットラー、日本が鈴木貫太郎首相だった。)

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●ルーズベルトがこの世を去ったとの電報がヒットラー総統の元に届いたとき、ヒットラーは飛び上がって喜び、罵詈雑言を浴びせた。

ヒットラーの公式声明。

「ルーズベルトは今次の戦争を第二次世界大戦に拡大させた扇動者であり、さらに最大の対立者であるソ連を強固にした大統領として史上最悪な戦争犯罪者として歴史に残るだろう。」

●ルーズベルトがこの世を去ったとの電報が鈴木貫太郎首相の元に届いたとき、貫太郎は静かに瞑想し、次の弔電を打った。

「今日の戦争においてアメリカが優勢であるのは、ルーズベルト大統領の指導力が極めて優れているからです。その偉大な大統領を失ったアメリカ国民に、深い哀悼の意を送るものであります。」

●ルーズベルトがこの世を去ったとの情報を得た朝日新聞は、

「伊勢神宮を爆撃した者への神罰」

と報じた。

●ルーズベルトがこの世を去ったとの情報に小躍りする息子を、当時の日本婦人は次のように諫めた。

「あなた、立派なご老人が亡くなったのよ。喜んではいけません。」

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ルーズベルトは人種差別論者として知られ、戦争前から「黄禍日本(黄色人種の日本は世界の禍だ)」と言い、「日本人だけは生かしておくわけにはいかない」と宣言してはばからなかった。

もちろん、それを知っていた貫太郎は、それでも「アメリカ人にとって偉大な」大統領を失ったアメリカ人に「深い哀悼の意」を表している。

民族には優れた民族があるかどうかは判らないが、「民族とその文化」の合計には、優劣がある。それは明らかに、

日本>アメリカ>ドイツ

であった。

敵将の死を罵倒するドイツ、敵将の死を悼む日本、そこには天と地の差がある。

そして、敵将の死を喜ぶ息子をたしなめる日本婦人、罵倒する朝日新聞。そこにも天と地の差がある。

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そして今。日本の首相、日本の夫人がかつての矜持を保っているのか、それは疑問である。でも、私たち日本人は世界に誇る魂と誠実さを持っているのだ。

それを絶対に手放さないで子孫に贈りたい。

私はこのことを思い起こすたびに、「よし、私はどんなに罵倒されようと、相手を尊敬するぞ」と決意する。

でも、朝日新聞だけは相変わらず人の劣情に訴えて販売部数を増やそうとしているという点で、今も昔も変わっていない。

情けない奴っちゃ。

(平成22228日 執筆)