私は科学者なので,実験結果を大切にして,その結果をそのまま受け止める人生を送ってきた.だから,環境の問題でも「実験結果」が気になる.

温暖化では1997年以来,12年間も次々と政策を実施し,国民も協力してきたのに,結果的にはCO2は14%も増え,それを何とか排出権などをお金で買って辻褄を合わせている。

政治家やお役人,そして御用学者はすでに税金などをもらっているので言い訳に終始すると思うけれど,普通の国民は「協力しても成果が上がらなかった」ということを正面から見た方が良いのではないかと思う.

このようなことは温暖化ばかりではない.

リサイクルが始まる時に,「リサイクルで資源を節約する.物質を循環する」と言い,私が「リサイクルすると資源を余計に使う。焼却して熱を利用した方がよい」というと,「売国奴」と罵倒されるような状態だった.

でも,今では「焼却」を「サーマル・リサイクル」という横文字の名前をつけて焼却をしている.

すでに実験結果はでているのである.

それでも当時,「焼却は許されない!」とあれほど激しく筆者を罵倒した人が「サーマル・リサイクルがもっとも合理的」などと公的な場所で発言しているのを見ると,やはり白けてしまう。

「心の中をのぞきたい」と思うものだが,リサイクルに熱心で物質を繰り返し使うべきだと言っていた本人の心の中はどのようなものなのだろうか?

ダイオキシンも同じである.「史上最強の猛毒」と言っていた人,たき火まで禁止した人は,今,何処にいったのだろうか?

これも実験結果がすでに出ているものであり,日本では患者さんもいないし,学問的には将来も患者さんが出ないとされている.医学的にもダイオキシンに対する体内の防御系がハッキリしてきた.ずいぶん,ムダなお金を使い,騒ぎ,一部の人を酷い目に遭わせ,妊婦の多くが不安を感じ,中には中絶までした人がいる.

もっと,厳しく実験結果を見つめたい.そうしないと,これからの環境問題を間違うことになるだろう.

・・・・・・・・・

温暖化の実験結果について少し触れておきたい.

京都議定書から12年,温暖化阻止として行われた一つ一つの施策にはそれぞれ,理由があり,さらにその効果が示されている。でも,結果的にはCO2は14%も増加し,京都議定書を守るには,2005年の時点ではそれに京都議定書のマイナス6%を足すことになるので,合計20%の削減をしなければならなくなった。

これらのことを,極めて簡単にまとめると,

一, 温暖化政策は完全に失敗し,京都議定書で約束した6%のマイナスどころか,プラス14%になった.

二, 従って,CO2を20%も減らさなければならない.

三, 日本政府は,表面上,CO2を減らさなければならないので,森林の買い取り,植林,排出権の購入など「お金を使って」数字上のCO2の削減を進めてきた.

四, 数字上,CO2の削減をしても,温暖化は変わらないが,国民もそれほど厳密には考えていない.

五, 実質的には京都議定書は骨抜きになったので,日本の努力はまったく意味が無くなった.

六, 全体としてCO2が削減できなかった理由をもっと厳しく考えないと,2020年までの政策も失敗すると考えるのが普通であろう。

京都議定書締結から12年.あれほど,次から次と温暖化対策をしてきたし,税金も膨大に使ってきたが,結果的にできたのは,お金でCO2排出を買うということしかできず,14%もふやしてきた.つまりは温暖化対策というのはすべて無意味だったのである。

これが実験結果だ。

(平成21年10月7日(水))