誰もがビックリしたと言っても良いだろう.日曜日の昼に突然,中川元大臣の死去が伝えられた.

お酒を飲み過ぎて大臣の職を失い,挙げ句の果てに自民党の退潮のあおりを食らって,議員の地位も失うことになった.

冷静に考えれば,あまり同情するような政治家ではないかも知れないが,人間には情がある.なんとなく親しみ深い政治家であり,なにか人を引きつける力もまた悲しさもあった.

多くの人が突然の訃報に接して涙を流していたのも,必ずしもパフォーマンスだけではないだろう.彼にはとても良いところがあったような気がする。

若すぎる死であるが,ご冥福をお祈りしたい.

・・・・・・・・・

ところで,中川さんの急逝を少しでも活かすために,一つ提案がある.

それは,中川さんが失脚し,おそらくは今回の遠因ともなったG7の「酔っぱらい会見」の事実をマスコミが明らかにする事だ.

この事件のマスコミの報道は,「マスコミなんかいらない」と思うようなものだった.

私の記憶では,その日の朝1番のテレビで映像を見た.これは大変なことがおこったと思ってNHKを見ていたが,昼過ぎからしか映像を流さなかった.私は「なにか,ウラであるのではないか」と思ったものである。

それから大騒動になったのだが,肝心なことは何一つ報道されなかった.

まず,第一の疑問は,「財務官僚や秘書官などがついているのに,泥酔状態でなぜ,記者会見をさせたのか?」という問題である.本人が言うことを聞かなかったというのもあるが,あのぐらい泥酔していれば,普通は「予定が変わって,記者会見は中止になりました」と言えば本人は納得しただろう。

また,中川さんと会見直前にお酒を飲んだのは,マスコミの女性記者であるという話しもあった.もともと,海外に行くと,マスコミの記者,特に女性記者は大臣などと美味しい料理とワインを飲むのが常だ.そこでウェイトレスとして働く.

中川さんの行状は「日本の名誉を傷つけた」と言われた.でも,それは中川さんだけのことではないだろう.財務官僚や秘書官は処罰されたのか?マスコミの記者はなぜ「国益に関係する事件」の詳細を報道しないのか?

中川さんのこの事件と,酒井法子さんの事件を比較すると,私には国家として中川さんの事件の方が大きいと思う.また国民も酒井法子さんの事件は「興味本位」だから報道してもしなくても良いが,中川さんの方は「政治的,国家的」に知らなければならず,それを報道するのはマスコミの義務である。

第一,G7には記者が多く同行している。その人たちはよくよく知っているはずである。

報道の自由,表現の自由がマスコミに認められているのはそれらの権利にみあう「義務」があるからだ.それは「知り得た重要なことは,国民に知らせる義務があり,だから特権を持っている」のだからだ.

マスコミは特権だけを威張るのではなく,この際,中川さんの死をムダにしないように,当時,何が起こったのかをつまびらかにする義務がある.やらなければ,報道機関を解散した方が良い.もちろんNHKが率先して報道するべきだ.

(平成21105()