新型インフルエンザの流行はまだ続いているが,一応,「騒ぎ」は一段落して,次の流行まで一服している。ここで,「次の流行」が起こったときに私たちはどのように対処したら良いかをあらかじめ,考えておくことにしたい.

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新型インフルエンザとは「外来種」である.最近は外来種と言うと忌み嫌われているが,日本はもともと外来種が多い国で,お米(イネ)もお芋(サツマイモ)もトウモロコシも,キャベツ,唐辛子・・・みんな外来種だ。

外来種には,ある特長がある.

外来種が入ってきても,日本に強力な敵がいたり,住むところが無ければすぐ滅びる。そんな外来種は話題にもならず,そっと日本からいなくなる。

もう一つは,日本に天敵がいない,住むところがたまたま空いていたという場合は大繁殖する.名高いセイダカアワダチソウ,アメリカシロヒトリなどがある.

だから「成功した外来種」だけが話題になるので,外来種を排斥したくなるのだろうが,実は外来種が適当に入ってくることは日本の生態系にとってはとても良いことなのである.

そして,いったん,日本侵略が成功して大繁殖した種も,天敵が出現することがある.アメリカシロヒトリはシジュウカラが幼虫を食べる方法を発見し,たちまち少なくなったのがその一つの例だ.

外来種としてもっとも悪名高きブラックバスは誤解されている魚で,1920年代に日本に持ち込まれ,すでに90年も経っている.

ブラックバスは最初は箱根の芦ノ湖に持ち込まれたが,日本にあまり居心地が良い場所がなく,釣り愛好家の間で,いわば幻の魚のように見られていたが,食用になるので,琵琶湖などでも繁殖させようとしたのである.

ブラックバスは「環境の悪い湖」で増えるので,「ブラックバスが増えたから環境が悪くなった」というのではなく,「人間が環境を悪くするとブラックバスが殖える」という傾向だ.

人間が悪いのに魚のせいにしてはいけない.人間の尊厳にかかわる.

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それはともかく,外来種としての新型インフルエンザは一応,日本上陸に成功した.ウィルスから見ると,上陸には成功したが,若い人にしか感染できず,病状もそれほど出はない.感染力も普通だからあまり成功したとは言えないだろう.

そこで,ウィルスとしては出直すことになるが,「出直し方」が二つある.

一つは,日本国内にとどまり,放射線や化学物質の力を借りて,遺伝子の一部を変えて突然変異をして力をつける方法だ(ゆっくりした突然変異).

もう一つは,一度,国外に出て,中国南部からベトナムあたりのトリ,ブタ,ヒトが混じって住んでいるところに移り,そこでヒトからブタやトリの体の中に入り,そこで遺伝子の一部をそっくり入れ替える方法がある.

国内にとどまると,遺伝子のごく一部が変わるだけだから,感染力も毒性もそれほど画期的には変化できない.でも,いったんブタの体に戻れば,そこでゴソッと遺伝子を変えることができる.

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つまり,次回にこの新型インフルエンザという外来種が来たときに,何に注目すれば良いかというと,

1) どこから来たか?

2) 性質が大きく変わったか?

ということがわかる.普通にすこし変わったぐらいなら,安心だが,ゴソッと変わると危ない.

さらに,中国南部などから来たような様子の時には要注意だ.そして感染が老人に広がったり,症状が大きく変わると危ない.

初冬になって,再び流行することがあったら,最初の様子をじっと見てみよう。そして,なにかひどいようなときには,仕方がない。天命と思って,外出を控えて様子を見よう。

どうしても心配な人は,3ヶ月ぐらいそれほど一所懸命に働いたり,遊んだりしなくてよいように,秋まで準備をしておけば安心だ.

(平成21年7月1日 執筆)