総務省は2009年6月26日,経産省,国交省,それに環境省に対して,あまりにもひどい税金の使い方に注意をした.

それは燃料電池自動車に2004年から2007年にかけて約200億円を投じたのに,その間の燃料電池自動車は2004年の49台から2007年の42台に7台減ったというのである.

車両価格が一台1億円だから,誰が買うのだろうか? まだ所有者がハッキリしていないが,おそらくは税金を使う自治体ぐらいしか買うことはできないだろう.

ということは,研究開発に誰かに渡した200億円と,車を買った40億円のほとんどが税金で,中央官庁の経費などを入れると250億円にはなるだろう.

「税金だからできること」であり,その税金は官僚のものではない.

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この問題では,まずは「情報公開」が必要である。

1) 燃料電池自動車の推進を唱えた官庁の原局(言いだした部署)

2) 税金を出そうと決めた有識者の会議のメンバー

3) 税金を貰った人たち

4) 一台一億円を払った人のうち,官庁などの名前

本来は検察が入ってその犯罪性を追求しなければならないが,難しい議論をしなくても,このような情報を公開しただけで,この種のいかがわしい税金は減るのは間違いない.まして,自動車というと中小企業がやっているわけではなく,トヨタ,日産,ホンダというところが研究しているのだから,国が200億円など出す必要もない.

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情報が公開されていないので,推定する権利があるが,まず,経産省か何処かの課の人が「燃料電池自動車をテーマにすると税金が使えて,自分の功績になる」と思ったのだろう。税金を多く使えばそれだけ出世する仕組みだからだ.

そして,それを「NHK」と「お仲間の先生方」に働きかけて,放送と委員会を開いてオーソライズ(権威付け)する.NHKは「水素の燃料電池は将来性がある」と放送しているはずだ.

このような時,NHKは税金を使わせるお先棒を担ぐことで,政治家やお役人の点数を上げている。受信者からお金を取るのがしごとだから,税金を取るのも同じことなのだ.

世論が固まってくると,予算を計上して200億円を払う.将来,自分が退職する頃に天下り団体ができるので,お役人にとってはとても好都合だ.(注)このような出世システムを変えないと,税金の無駄使いは終わらない.

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今回の事がお役所である総務省の指摘で明らかになったことは,良い面と悪い面がある.

【良い面】お役所の無駄使いをお役所が指摘した.

【悪い面】マスメディアよりお役所が監視の役割を果たした

私たちがNHKに受信料を払っているのは,NHKが総務省の発表を報道するためではなく,NHKが総務省に先んじて受信者のためにならないことを報道するためだ.

また,ごまかしはいつも共通したところがある.燃料電池自動車も製作時に膨大なCO2を出すが,うたい文句は「走行中にCO2を出さない」という.

不合理なことに税金を出している今の電気自動車と同じ言い訳である。

(平成21627()執筆)