最近では,日本で起こることには共通性があるように思う。それは,

まず,第一に,日本の指導層に「民主主義」に対しての確信がないこと.

そして,第二に,これも日本の指導層が,日本は独立していなくても良いと考えていること,

最後に,専門家が,自分の専門より「御用,お金」を優先すること,

だ.

鳩山大臣の辞任について,多くのマスメディアは次のように伝えている。

1) 2月に麻生総理大臣が日本郵便の社長の交代を鳩山大臣に指示。

2) 小泉元首相,竹中元大臣が郵政民営化を守るために,西川社長の更迭に反対して工作をして,成功した.

日本の現状からは良く理解できることだ.

まず,第一に「民主主義」なのに国の重要事項について,「なにがどのように行われたのか」が国民にまったく知らされないことだ.その第一の役割をもっているNHKはもちろん報道しない.

民主主義というのは選挙によって代議員(代議士)を選び,その人たちが現実の政治を進めていく。しかし代議員はあくまでも代議員であって,国民と比較して,より強い権限を持っているわけではない.

個別の政策を自らの判断でできるのは,国民からそれを預託されているからで,自らの権利ではない.

だから,2月に首相が西川社長の更迭を大臣に指示して,それを覆すなら,「小泉,竹中」の名前ではなく,その経緯を詳細に示さなければならない.

もし,その理由が「郵政民営化を貫徹するためには,前言を翻すべきである」と言うなら,そのことをそのまま発表し,その理由を示すべきである。

「小泉,竹中の反撃にあった」などというのは一部の政治家だけに関心のあることであって,国民は小泉,竹中になにも預託していないのだから,現実に行われたこととを示すべきである.

日本の指導層は民主主義というものに信頼感を持っていない.選挙で選ばれたり,公務員試験に合格すれば,「国民をコントロールする権利」を与えられていると錯覚している。

私は,民主主義という制度は優れているので,それを守っていきたいが,それには一にも二にも情報公開こそが大切と考えている。

(平成21613日 執筆)