この世には犯してならない不文律があると思う。それは長い人類の歴史の中で確立し,そして人の心の奥底に社会生活の基本的な規範として刻み込まれている。

その一つに「飢えた人がそこにいるのに,目の前で食料を暖炉にくべてはいけない」というのがある.

でも,トウモロコシやお米をバイオエタノールにして自動車が食べる時代が来た.アメリカを中心として人類の不文律を破る奇妙な政策を進めているが,日本でも賛同者がいるのが残念だ.

それがさらに進んで,アメリカの食料資本がアフリカなどの発展途上国に進出して,そこで「農地」を買収している。その畑はその国にとってとても大切な土地なのに,そこに「バイオエタノールようの成長の早い植物」が飢えられ,エタノールに転換されて自動車用に輸出される。

アメリカがどんなに不文律を破ろうと,日本人はそんなことに手を染めて欲しくない.アメリカの環境政策などこの一つを見てもまともな人間の遣ることではないことは明らかである。

日本は世界で尊敬される民族として,日本で取れた作物の範囲で命を繋ぎ,それで満足するべきであろう。このことを達成するためには私たちはかなりの努力をしなければならない.

少子化は歓迎すべきこととして受け容れ,その代わり定年を伸ばして働ける間は額に汗して年金問題を解決し,すでに荒れてしまった田畑を回復し,労働によって命を保つという原理原則のしっかりした社会を造りたい。

(平成21522日 執筆)