「どうしたら成績が上がるか?」というのは多くの子供たちや親の強い関心があることなので,いろいろな体験や考えが本になっているし,最近では脳科学の進歩もあって,科学的な解説もされている.

自分の体験はともかくとして,いろいろな学問や成績の良かった人の話を聞くと,「物事を分解して覚える」ことより「暗唱が良い」という話が多い.

この種類の話で有名なのは,トロイの遺跡を発見したシュリーマンの語学の勉学方法だが,シュリーマンはまれに見る語学の天才であった。

彼は,最初の外国語はかなり一所懸命になって勉強したようだが,数カ国語の階になると,直接的に外国語を声を出して読み,それを暗唱して外国語を会得したという。

確かに,外国語ばかりではなく,社会や理科,そして国語はもちろんだが,暗唱すると対象とするものの全体を把握することができる.おそらくは脳の一角にその分野の記憶が蓄積し「親しみやすくなる」のだろうと思う。

私も「習うより,慣れろ」ということをモットーにしているのだが,あまり最初から「判りたい,覚えたい」と思うと失敗するようだ.最初は,「どうせ,初めてのことだから,判らないし,覚えられない」と思って気軽に読んだり,漢字を覚えたりしている内になにかできるようになる.

その方が「本当に自分の体の中に入った」という感じになり,忘れにくいし,それに関係することも理解できるようになる。ところが「丸暗記や理屈」で覚えると,体になじまないせいか,何時までも同じようなことを繰り返し覚えなければならない.

脳科学では記憶の研究がもの凄い速度で進んでいるので,いろいろ判ってくるだろうが,さらに本当の意味での記憶や成績などがわかるのは時間がかかるかも知れない.

人間は個性があるから,誰にでも勧めることはできないが,勉強の一つの方法として,暗唱や慣れがあることを知っておくのも意味があると思う。

(平成21516日 執筆)