あの「技術の日立」が,こともあろうに主力製品の一つである大型冷蔵庫で,「リサイクル品を使い,CO2を40%以上削減した」とウソの申請をして,「3年連続 環境大賞」をとった.

このことを日立の大型冷蔵庫の総合パンフレットの表紙に掲げ,販売を促進して,該当の機種で300億円を売り上げたとされる。

【解説】

「技術の日立」とはなにか? それは創業以来,日立は技術が優れていることを武器に製品を販売し,社会に貢献してきた.その裏で,多くの技術者がその魂を研究開発,そして製造に捧げたことだろう.

それとも「技術の日立」というもの自体がウソだったのか?

いや,そんなことは無いだろう.でも,技術の日立も,技術が衰え,「ウソの宣伝」を構えないと,主力の大型冷蔵庫も売る力を失ったのだ.技術者として実に哀しい。

日立のOBはこの事件で立ち上がり,「ウソをついて大賞を取ったのは,本当に「製造現場と本社」の連絡ミスだけだったのか?」を追求して欲しいと思う。

1年前の製紙会社のリサイクル偽装の時にも,私は技術者に呼び掛けた。「皆さんは企業の奴隷ではない.企業を支えてきた主力だ.だから,自分の会社でも,不正は許してはいけない」と呼び掛けた.

また,民放の放送のなかには,日立の責任者が出てきて「故意ではない」と言っていたが,製造会社の技術者としての経験がある私にとっては信じられない。

環境大賞を取るために出すデータは,必ず製造か開発からでているはずで,それを本社が書き換えることはあり得ない。だから,もし,それがあったら,「技術の日立」どころか,「偽装の日立」になってしまう.

自分の身が可愛いとつまらないことを守ろうとしないで,日立の操業精神に帰り,「社会のための日立」として,事実を明らかにして欲しい。

またマスメディアの一部では「冷蔵庫の性能としては表示通りなのだから,何が悪い」という発言もあり,また日立の責任者もそのように言っていた。私には信じられない。ウソをついて売っても製品が良ければよいということだろうか?

「環境問題が日本人の誠を壊す」と私は思っていたが,技術の日立の誠実さまで壊してしまった.残念だ。

(平成21421日 執筆)