地球が温暖化するかどうか,そして温暖化の影響がどの程度のものか,多くの人が心配している。

そんな中で,「温暖化が進む。温暖化になれば地獄になる」と言う人もいれば,片方では「寒冷化する。寒冷化したら大変なことになる」と言われる。

でも,普通の人は温暖化の研究をしているのでもない.さらに,日本は温暖化の原因とされるCO2はあまり出していないし,省エネルギーも十分に進んでいるので,個人の生活を少し工夫したぐらいでは気温の変化にはなにも影響が無い.

どのように考えたら良いのだろうか? どう行動すれば良いのだろうか? それは多くの人にとって切実な問題だろうと思う。

このことについて,読者からの質問もあったので,「世界の情勢はどうなっているか」ということと,「学問としてはどうか」という二つの点から解説を加えておく。

【世界の動きはどうか?】

1)温暖化が重要な問題だと言っている国や機関

国連のIPCC,北ヨーロッパ(ドイツ,イギリスなど),日本,
NHK,茨城大学,日本の温暖化阻止の学者,国立環境研究所,企業

ゴア元副大統領,日本からIPCCに代表で行っている人たち.

2)実際にCO2を削減している(ように見える)国と人

日本1カ国(北ヨーロッパはEUとして少し削減している)だけ.
(NHKは視聴者に削減を呼び掛けているが,NHK自体は80%増加させた.

ゴア元副大統領の自宅の電気代は1ヶ月30万円.

日本の指導者のほとんどは平均的な日本人より多くのCO2を出している。)

全体としてみると,温暖化が怖いと言っている国や機関,人は多いが,それにしては,そこがCO2をかなり多く出している。この言動不一致問題を私も考えているが,なかなか分からない。

私がやや温暖化防止を推進している人に対して批判的なのは,温暖化関係でお金を貰っていること,本人がCO2を多く出していることが多いことがある.でも,それは個人的なことだから科学として「温暖化が進むのか,そして恐ろしいのか」を考える時には副次的に見るべきだろう。

3) CO2の削減をやっていない国

カナダ,アメリカ,メキシコ,中南米の国,ブラジル,アルゼンチン,アジア,アフリカ,ロシア,南ヨーロッパ,東ヨーロッパなど世界のほとんどの国。

4) 温暖化はCO2ではない,もしくは寒冷化すると言っている人など

研究費は「温暖化阻止」にしか出ていないので,このような研究は「民間の研究」になるので,個人が多く,アラスカ大学の赤祖父先生,東工大の丸山先生,東大の渡辺先生,名城大の槌田先生など多くの方がおられる。

5) 実際にCO2削減をしている国や機関,人

日本の小学生以外はCO2を削減している人はほとんどいないのでは無いかと思う。日本全体では6%削減すると京都議定書で約束しているが,実際には(森林吸収分を除けば)14%程度,増大させているので,約束から見ると20%も増大している。

EUも全体として増加である。仕事を拡大したり,収入を上げるとCO2が多く出るので,どうしても増加になる。

言動不一致という感じだが,みんな「少しでも良い生活をしたい」とおもうし,CO2を削減するのはそれを我慢するのだから,現実にはできていないと言うことだ.

このような情勢のなかで,「本当に温暖化するの?」,「温暖化の原因はCO2なの?」,「本当に恐ろしい結果になるの?」と聞かれると困る.なぜ,こまるのだろうか?

私は全体を見て,また科学的にメカニズムなどを勉強して,温暖化について現在のところ,次のように結論している。

1) 地球はやや温暖化している.海水面は上がっていない.

2) 温暖化の原因は,太陽などの動きと人間の活動が半々ぐらいで,それ以上詳しいことは分からない.分からないものは分からない。

3) 温暖化は少なくとも日本は悪いことは起こらない。寒冷化は厳しい.

4) 気候変動はあまりに難しいので,世界全体を考えるより,日本だけのことを考えておきたい。

私は「学問」をいうのを長くやってきた.そしてドイツの哲学者ヘーゲルが言うように「学問は未来は分からない」という考えだ.なぜかというと,学問は現在の私たちの智恵が間違っているのではないかと常に疑っているので,現在の考えが正として将来に自信を持つことができないからである。

温暖化は現在の問題では無い.現在でも少し温暖化しているが,まだ被害がでる段階ではない.「今世紀末には」というぐらいだから,かなり遠くの問題だ。温暖化を予想するには,気象学,地球物理学など広い研究が必要で到底,結論は出ないだろう.

この重要な問題は,「結論はでない」ということをよく説明して,対立する考えを丁寧に説明することだ.かつて,天動説とガリレオの地動説,創造論とダーウィンの進化論など学問は考えが違う人がいる事自体が大切である。

(平成21417日 執筆)