スウェーデンは社会福祉が完璧だ。 それはあまりに厳しい気候のもとで生活をしているから,男性ばかりではなく女性も社会で働かなければならない.

そう言うと,女性蔑視と言われるが,全く正反対だ.職業に貴賤は無いが,社会で仕事をするより,子供を育て,家庭を守る方がどちらかというと高級な仕事だから.

社会にも価値のある仕事もあるが,多くの仕事は上司にごまをすり,お客さんに頭を下げることが多い。

それがイヤでも,くだらないことと分かっていても,家族がいるからジッと我慢をする.それから見ると家庭の主婦の仕事はおそらくあらゆる職業の中でもっとも高級だ。 人生としてのやりがいがある.

でも,スウェーデンは厳しい。だから女性がより高級な仕事をやめて,社会に出る必要があったらしい.そうなると「社会福祉」というのが発達する。

スウェーデンは北の国だ.そしてスウェーデンより北にはホッキョクグマしかすんでいない.

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南の国は気楽に人生を送ることができる. 何しろ,しばらく待っていたらバナナがたわわに育つし,海にでれば魚はいくらでも捕れる。

だから,働く必要は無い。女性も,男性も働く必要が無い.そうなると女性は家庭という価値のある仕事が出来るが,男性はとかくブラブラしている。

たしかに,ある面では働くことは人生で大切かも知れないが,強制的に働くより,働きたければ働く方が人間らしい.

だから,南に国には働かない人がいるが,それはそれで正しい.植物でも,バナナは種なしが多いが,それは種が無くても温暖な気候なので,枝が地面につけばそれから新しい芽が出るからだ.

すべてはイージーで,すべては楽しい。 それが南の人生だ.

だから,南の人は痲薬を好む。 北の人は痲薬と聞けば眉をひそめるが,南の人は普通のことだ. だって,生活が困らないのだから,時には痲薬をすって気持ちよくなって何が悪いのだろうか?

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北の人は痲薬を忌み嫌う。それは自分たちの社会が壊れるからであって,まったく自分本位だ.自分たちと違う環境で生活している人の価値観を無視する。

私は,こう思う。

人にはその人が人生を送るところの価値観を持つ.時にそれは勤勉であり,時には怠惰である。でもそれはその人の人生であって,他人には関係が無い.

節約は良いことだというのは,そのような社会にすんでいる人の話だ. 真面目が良いと言っても,孔子は「真面目な人はとかく人をいじめる」と言っているけれど,私もそんな気がする。

日本人はお人好しだから,スウェーデンが男女が働くと言ってはそれが良いと言う。でも,働くというのはそれほど良いことなのだろうか? 南の国には南の国の感覚が,北の国には北の国の倫理がある.

日本人には日本の思いがあり,アメリカを追従するのはイヤだ.日本人には日本人の誠があり,恩があり,礼があり,そして義がある.他の国がそれを理解しなくても,私たちには2000年の歴史があるのだ.

実は白状すると私は「真面目」は嫌いでもあり,好きでもある。 町に飲んだくれて道路に倒おれている人がいないと寂しい.タバコを傍若無人に吸っている人がいないと人間らしくない.でも,学生は真面目に講義は受けて欲しいし,遅刻もしてはいけない.だから私は真面目なのかも知れないし,それで他人に迷惑をかけている気もする。

でも,痲薬は痲薬で必要であり,男女共同参画もそれなりに必要だ.決してしてはいけないのは,自分の価値観を他人に強制することだ.たとえば「CO2をだすな」とか・・・・・

(平成21321日 執筆)