今更,江戸時代には帰ることはできない.というより,くみ取り便所より水洗トイレの方が良いし,冷蔵庫がなければ困る。だから,現代が良いのだが,悪いところがある.

環境は問題がない.空気は綺麗だし,水も美味しい。 そして日本は四面を海に囲まれているから,「23℃のお風呂」のそばにいるようなものだから,すこし温暖化して貰った方が良い.

幸い,CO2も増えている。なんと言っても食物が育たないと困るし,食物の原料はCO2だから,CO2が増えて,2℃ばかり気温が上がると万々歳だ。

でも,困るのは「心」だ.そして今,問題になる「心」には二つある。一つは「素直に生きる心」を失ったこと,二つ目が「楽しく生きる心」を失ったことだ。

自分が親から授かった体で,精一杯,努力する。そしてその範囲でお足を頂く.できれば,自分でなにか社会が必要なものを作って暮らすのが良い.「士農工商」である.

侍が一番,立派だ。なんと言っても命をかけて家族を守ってくれる。

「母上様、幸光の戦死の報を受けても決して泣いてはなりません。

靖国で待っています。きっと来てくれるでせうね。敵がすぐ前に来ました。私がやらなければお父様お母様が死んでしまふ。

否、日本国が大変なことになる。幸光は誰にも負けずきっとやります。母上様の写真は幸光の背中に背負ってゐます。」

海軍少佐富澤幸光(神風特別攻撃隊第19金剛隊)北海道江差町出身23歳。

彼がいなければ今の私たちはいない.

次は「農」だ.農は私たちの食べ物を作ってくれる。 作業は辛いし,自然の影響も受ける.そして地味で黙々と人生を送る。

三番目が「工」だ.今で言えば,「工業,教育,医療,福祉」だろう。食べ物ほどは必要がないが,良い生活をできるだけ,楽にする事に貢献できる.ただ,工業は自らものを作り出すが,教育や医療,福祉はそれが自己目的にならないように注意が必要だ。

そして最後に「商」がくる.士農工商という順序が正しかったことは,今度の金融崩壊で良く分かった.「金」は人の心をむしばむ。それは古(いにしえ)から分かっていることだ.だから,「商」は下賤である.

かつて,武士は「政」を司ったが故に,「金」を取り扱わなかった。今,「政」が最も「金」に近い.武士は基本的にボランティアだったのだ.

だから,今は「士農工商政」である.お金に結びついた政治や官吏はもっとも賤しい。 それが現代社会の悪の根源にある.

二つの心を破壊しているのは「金とつながった政」なのである.

(平成2127日 執筆)