ある講演会の後でした,出席されていたある中年の方とお話をしていたら,その人が寂しそうに私にこういいました.

「先日,先生の本を読んで,自分でも少し環境のことを考えて,小学生の息子に話をしたんです.そうしたら,息子が「お父さんと口は聞かないっ!」と言うのです。」

その方が息子さんに話したのは,リサイクルでも資源が節約できるリサイクルもあれば,無理なものもあるとか,温暖化もまだ科学的には分からないところがあるというような話だそうです。

息子さんは,すでに小学校で先生から,「リサイクルをしろ」,「温暖化防止で君は何ができるのか」と毎日のように教育されているので,それで頭が凝り固まっているということでした.

確かに小学校では文部省の指導か何かがあって,いわゆる環境教育というのをしていると言うことは聞いています.

それも「環境とはどういうものか」とか,「科学は何をしてきたか(良いこと,悪いこと)」,「人間と自然の関係」などを教えるのは良いけれど,それは教えないで「リサイクル,ダイオキシン,温暖化」を教えるので,すっかり子供もその気になっているのです。

そういえば,NHKは盛んに子供を「使って」います.小学生向けの番組を組んだり,小学生に温暖化防止の作文を読ませたりしています。

小学生には,地球とか宇宙の成り立ち,自然の姿を教えて,その子供が大人になったときに自分の判断で環境破壊を考えることができるようにするのが教育で,ある価値観を押しつけるのが教育ではありません.

恐ろしい日本になったものです.あまり他の国のことは言いたくありませんが,かつてカンボジアでポルポト政権の先兵として多くの子供(クメールルージュ)が思想を持ち,次々と大人を殺害していったのは記憶に新しいことです。

その意味では,NHKは現代日本のクメールルージュ担当教育機関です。 恐ろしい事です.一刻も早くNHKが解散することを願います。

(平成2127日 執筆)