宮崎県串間市**中学校の先生、大丈夫ですか?
2009年1月30日の宮崎日々新聞朝刊23面に串間市が主催した第一回串間市環境フェアの記事が載っていました.
「フェアでは環境学習に取り組んでいる**中学校の2年生が「地球温暖化で海水面が上昇し、水没の危機にあるツバルやモルジブの現状を紹介し,「買い物にはエコバッグを使う」・・・・と呼び掛けた」
とありました.
環境の大切さを生徒さんに教えたいという熱意は分かりますが,指導される先生は環境のことを十分に勉強されたでしょうか? 環境は将来の子供たちにとって大切なことです.そして学校で教えることは子供たちの心に深く刻まれますから,気持ちが先行して,間違ったことを教えないようにしたいものです。
すでに私のネットや書籍に掲載していますが,ここで念のためにツバル海域の海水面と浸水の状態を示しておきます.生徒さんは柔軟な頭脳を持っているので,今からでも間違いは修正しておいた方が良いと思います.
訂正するのはメンツの問題もあると思いますが,それより子供たちに事実を伝えることが大切です.
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【学術的事実として明らかになっているもの】
1. 歴史的経緯
1) 1892年 イギリス植民地報告(歴史に始めて登場)
ファンガファレ島はその大半がマングローブの林で覆われた湿地で、満潮時にはわずかな陸地に空いた無数の穴から海水がわき出していた. (本国への報告の英語を訳したもの)
2) アメリカ軍 飛行場建設
第二次世界大戦中,日本軍を追撃したアメリカ軍は1942年9月かに1088名の海兵隊を上陸させ,5週間で湿地を埋め立て1500メートルの滑走路を完成させた。 この時、飛行場以外の場所のサンゴ礁は著しく破壊された.
2. 海水面の変化(1978年 独立後の海水面測定は3カ所あります)
ハワイ大学: 独立後22年で1.9センチメートル上昇.
オーストラリア国立潮位学研究所:
この地域で,顕著な海水面上昇なし。
ツバル気象局長論文(ヴァヴァ氏):
潮位計設置後,約6年で14センチ低下.
すなわち,太平洋全体,およびツバル海域は海水面の上昇がまだほとんど見られず,ツバルの水没は地盤沈下と考えられます。
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「魔女狩り」は現代流に言えば「いじめ」ですが,このようなことが発生するのは「感情」が先立って冷静な判断ができないことによります.
中学校の先生はもう一度、良く見直し、生徒さんを正しく指導されることを望みます。
(資料として,2008年に国際開発ジャーナルに連載された小林泉先生の論説および書籍をご紹介します。)
(平成21年1月30日 執筆)