先回から「日本は素晴らしいのに,わざと暗くしている」という話を書き始めた.多くの人が何を心配しているのか,私にはよく分からないからだ.まずは環境のことでは,次のことが言える。

イ) 日本の環境はすでに素晴らしい

ロ) 大量生産が環境を破壊したのではない

ハ) 日本のおじいさんは日本の孫を守る

ニ) 家庭の倫理を社会に持ち込むな

ホ) 持続性とは「節約」ではなく「活力」である.

ヘ) 人間の力を信じることが持続性

ト) 偉い人は税金を狙うな.

日本列島は四面を海に囲まれている.そして温帯だ.世界地図を見たら分かるのだが、「温帯の大きな島国」というのは,日本とニュージーランドしかない.

海に囲まれているというのは素晴らしい.魚が捕れる.雨が降る。 気候が「海洋性気候」で安定している。 海が綺麗だ。 海水浴ができる・・・なんという運の良い国に生まれたものだ.

温帯だから焼け死なない。 それどころか,沖縄のうるま市では真夏でも夜になるとソヨソヨと涼しい浜風が吹いてきて、エアコンなどを思い出すのは年に2,3日しかない.冬は11月でも市役所の人は半袖だった。

北の方は少し寒い。 冬の東北,北海道は暖房がなければ辛い。 それを考えると,日本列島がすこし南にずれるとちょうど良いような気がする。台湾も気候が良いから沖縄が台湾ぐらいにずれると,北海道はとても良くなる.

だから,私は温暖化は賛成だ.IPCCの計算値はあまり当てにならないが、100年で3℃ぐらい上がると言うからちょうど良い。 今は年平均気温が,札幌7℃、東京15℃,那覇22℃ぐらいだから,それが10℃,17℃,23℃ぐらいになる.ちょうど良い.

私は沖縄にご縁が多いが、沖縄の人は台湾ぐらいの気候になったからといって文句を言わない。 そんなことには鷹揚だ。 あれほどのアメリカ軍基地の被害を日本全体の代わりに負っているのだから。

世界で水道が飲める国というと7カ国。 その中でも日本の水道の清潔さとおいしさは格別だ.水道局,万歳!

温帯だから四季折々、桜が咲き、新緑をめで,ツツジがそろう.菊が咲き、モミジをめで,戻りカツオがそろう.

大陸の人には悪いけれど、もし温暖化が恐ろしければ勝手に対策をやって欲しい.現在のように一部の利権のために、世界で一番,温暖化の影響が少なく,良い方向に動く日本だけがCO2を減らすのは滑稽だ。

でも,日本もそれなりに被害は受けている。それは,温暖化ではないが,四面が海ということは,国土が砂でできているようなものだから資源が無い。せいぜい火山性の金属元素ぐらいしか採れない.石油も鉄鉱石も,日本には無い.

でも,その代わり,美しい自然、四季折々、美味しい水。 掃除してくれる台風.適当な気温、長い海岸線,森林率67%,二酸化硫黄5ppb, すべては素晴らしい.私にはなんの不安もない。

今日、講演したら「環境が大変だ」と心配されている人がおられた。 あまり時間がなかったので、何を心配されているのか分からなかったが,具体的に何が悪いというのではなく,何か不安だ、昔は貧乏だったのに、こんなに裕福になって良いのかという感じだった。

その人は,なにか,将来に不安があるらしいけれど、人間は将来があるのだから,将来に不安があるはずもないのだが・・・ 特に日本に住んでいれば。

欲が無く、自然に任せておけば,日本に住んでいる限り,なにか変なことが起こる可能性はほとんど無いし,もし変なことが起こるのなら,大陸で起こって,それが日本に影響を及ぼすのは30年もかかるだろうから.

(平成21128日 執筆)