土曜日でもあり,軽いジャブを一つ・・・

なんと言っても,私たちの日常生活の中で,「素晴らしいエコ製品」というと「ペットボトル,アルミ缶、レジ袋」でしょう.これを「三大エコ商品」と呼びます.

ペットボトルは500ミリリットルでわずか30グラムです.私はガラスビンは芸術的に素晴らしいと思うので、好きなのですが,500ミリリットルのガラスビンの重さはおおよそ400グラムですから.10倍を超えます.

実用的にはペッとボトル,芸術的にはガラスビンと言ったところでしょう。

「ペットボトルは石油でできているけれど,ガラスビンは土からできるから,ガラスの方が良い」という人がいますが,それは「一部分しか見ない20世紀型」です.

ガラスの原料は土ですが,そんじょそこらの土ではダメで不純物の少ない特定の土を遠くから運んできますが,土を掘ったり、精製したり、輸送したりするのには石油を使います.

またガラスは高温で溶かさなければなりませんので,その時にも石油や石炭を使います.だから,ペットボトルとガラスビンとどちらが「エコ」か?と言う質問で,その「エコ」が「石油の消費量が少ない」というなら,もちろん「ペットボトル」です.

でも,本当のエコとはそう言う考えではダメでしょう。 難しい言葉で言えば「費用対効果」,つまり,ある製品がエコかどうかは,その製品が使う石油の絶対量ではなく,そのものの価値との関係で決まります。

たとえば,ペッとボトルと自動車を考えると、遙かに自動車の方が非エコです.自動車を作るときにも走る時にも膨大な石油や資源を使いますが,なぜ,自動車が許されているかというと,「役に立つから」です.

その意味では,ペッとボトルはすごい商品です。

今まで400グラムのガラスビンを使い,うっかりして落としたら割れていたのを,ペッとボトルなら軽くて落としても割れません。 お買い物に行き、油や醤油、そして子供の飲み物を買う女性には大助かりだったはずです。

そして,もうひとつ,ペッとボトルの出現で女性のお茶くみが少なくなったことです。 もちろん「お茶くみ」もお客さんの接待という意味では大切で,昔から「茶の湯で客をもてなす」というのは日本文化の一つです.

でも職場でのお茶くみはあまり楽しい仕事ではありません.それがすこしずつ無くなって,女性がより高度な仕事ができるようになったのですから女性の新聞記者などがペッとボトルをほめてくれるはずなのですが・・・どうも???

「エコ」とは「エゴ」ではありません。多くの日本人にとって,あまり資源を使わずにより楽しい生活をする製品を「エコ」と名付けないと,ある特定の人の思想に合うものだけをエコと言うことになります.

まず,ペッとボトルを「最高度のエコ製品」に認定しましょう。 天下りが支配している「認定団体」などは無視した方が良いと思います.

また,ライフサイクルアセスメントも国のお金で計算していますので、まったく信頼はできません。 これも無視しましょう.

ペッとボトルは素晴らしいエコ製品です。

(平成21124日 執筆)