2008年12月29日,NHKは温暖化を防止する目的で,教育テレビの報道を午後0時30分から9時30分に限定し、放送時間を短縮することによってCO2の排出を削減することを発表した。

放送を任務とするNHKが放送時間を短縮したので,放送しなかった時間分だけ視聴料を返還すると思われる。まだ12月分の視聴料の返還時期やその額についてはNHKから発表されていない.

この措置に伴い,同日午後1時、NHK会長の趣旨説明とともにアナウンサーが「NHKは(CO2削減に関する国際条約である京都議定書の基準年となっている)1990年を基準にして現在,CO2の排出量は80%増加した」と放送した。

それに伴い,NHK会長が「なぜ,視聴者に6%削減を呼びかけ続けたのに、呼びかけたNHKは80%増になったか」ということについては説明を省略した。

また同日のNHK総合テレビでは19時30分から3時間にわたって視聴者にCO2を削減しようと呼びかける放送を続けている。

この件について(TBSブロードキャスターにて紹介したように)長い間,企業倫理の研究を続けてきた中部大学の武田教授は次のようにコメントしている。

「私も長い間,企業の倫理を研究してきましたが、企業自身が実施する気のないことを,お客さんに勧めるということは,長い企業の不祥事がいろいろありましたけれど,見られないことですね。

NHKが視聴者にCO2の削減を呼びかけるなら,もちろん,当然ですが自分の意志でCO2の削減できるのです。またNHKの予算は国会の承認を必要としますが、政府もCO2の6%削減を公約にしているのですから、実施も可能です。

だからNHKは意図的にCO2を増やし、その反面、視聴者にはCO2を削減して不便な生活を強いていたのですね。

でも,このように長い間,自分のお客さんを騙し続ける例は本当に少ないと思います.このような不誠実を許す社会はありませんから、社会の糾弾を受けて、まもなくNHKはつぶれると思います。

視聴者も自分を騙すNHKに視聴料を払うはずもないですから.」

(平成201229日 執筆)