2000年まで住宅金融公庫は「ゆとりローン」という特殊なローンを国民に勧めていた。住宅を建てるために公庫からお金を貸し付け、最初のころは返済額が低いが、3段階になっていて徐々に高くなるというローンだ。

 お金を借りる時に、最初に返済が厳しいと、あまり多くは借りないことになるが、最初が楽ならついつい多めに借りてしまう。

 「ゆとりローン」という公的(国と同じ)なローンは、まるで悪徳業者のローンのようだ。私も若い頃、ローンを組んだことがあるが、その時にはとても良心的で「最初の10年間でほとんど返すようなプランが良いですよ。その方が安全だから」と繰り返し勧められた。

 確かに最初は辛かったが、その時期を過ぎると余裕ができた。良心的なローンとはそれを言うのだろう。

 いま、アメリカで崩壊した「サブプライムローン」というのは「ゆとりローン」と同じで、所得が低い人でもまるで無理なローンが組める。ゆとりローンでは、65歳の人に35年返済のローンを組ませたりしている。

 この「ゆとりローン」が破綻しているが、国側は涼しい顔である。「個人のリスクで借りたのだから問題はない」と言うのだ。でもその販売方法は民間のローン販売会社に任せ、そこが何と言って売ったのかはまったく関知しない。契約ができたら業者に手数料を払って終わりだ。

 業者は手数料が欲しいから、どんな条件でもローンを売る。はっきりした国の犯罪である。

・・・・・・

 政策に二つの選択がある。一つは、民主政策、もう一つは愚民政策である。

 日本の場合、どちらの選択もできるが、愚民政策の方が取りやすい。国民は国を信用しており、NHKが国が正しいと報道するからだ。このゆとりローンの問題も民間が指摘し、民放が放送しているが、NHKはほおかむりである。

 愚民政策の一つが「環境」である。

 リサイクルの時には「みんなでリサイクル」といってニコニコ笑った絵と、まるでグルッと一回りするマークを作り、国民に呼びかけたが、「10年たって、どのぐらいリサイクルしているのですか?」と国民が聞くと「容器包装リサイクル法にはそんなことはかいてありません。また焼却もリサイクルにいれています」という始末だ。

 温暖化でも同じで、IPCCの報告を偽装して国民を脅し、環境税に加えて3兆円の税金を徴収しようとしている。

 金融政策でも同じだ。国債を発行する。それで赤字事業をやり、国民が返済を求めると消費税を上げる。

 もっとひどいのは銀行に預金すると、その半分が国債になり、銀行に卸に行くと半分は国債なので、その分だけ消費税を取られる。

 全部、愚民政策だが、「ゆとりローン」や、これも破綻した林野庁の森林投資や自治体の規模では過剰貸し付けと夕張市の破綻などになると、今度は手のひらを返したように「国は、システムを提供しただけ。国民は自分のリスクで。大人なのだから、よく考えない方が悪い」とくる。

 つまり、普段は愚民政策を進めて、責任問題となると突然、民主政策(民が主)に変わる。データは出さないし、売り出すときだけ民間のセールスマンを雇い、「お国のことですから、安心です」と言わせ、問題が起こると逃げる。

 実に巧妙で悪辣である。

 自民党は現在、政権を取っているので実績から言うと「愚民主義」なのだろう。民主党はどうだろうか?民主党の政策を見ると、これもどうも愚民主義のようだ。

 金融政策、環境政策、そして生活全般にわたって、自民党の政策よりはっきりしていない。愚民か民主か?政策をはっきり出さないと国民は選択できないし、政権交代も有名無実となる。

 教育も愚民主義に徹している。勉強する気のない高校生を排除すると、その校長先生を解任する。勉強したい子供はいじめられる。

 私は、このような国を認めていると、社会の基礎が崩れる。いくら学生に「まじめにやれ」といってもその言葉は空虚だ。日本人は自分たちで日本の文化を壊しているように思える。

 社会保険庁も日本人の誠がないが、住宅金融公庫も林野庁も環境省も同じだ。誠の無い人は日本の社会から消えて欲しい。「日本の誠」という政党はないのだろうか?

(平成201126日 執筆)