アメリカのいい加減な金融学で、世界中が大きな被害を受けている。このこと自身は不幸なことだが、アメリカの文化がいかにいい加減かということを知ることができたことは良いことで、禍を転じて福にしたいものである。

私が数年前に書いた、「永久財産を作る方法」を少し現代風に直して示したい。

かつて、まだ男女共同参画と言われない頃、表現は上品ではないが的を得た四字熟語があった。それは「永久就職」という用語だ。

女性の人がしっかりした男性と結婚する。それは下手な会社に就職するよりずっと良い。言えば永久に就職するようなものだという意味で使われた。

差別的用語でもあり、女性が独立する機会を与えられなかった頃のことだから、もう使われないが、なかなか含蓄がある。それと同じように財産で「これをやれば永久」というのはないだろうか?それがあれば、国債はもとより株の心配もしなくて済む。

人生は長期戦である。だからヘッジファンドなどは論外だ。ファンド・マネーとかその他の金融商品は、もともと「他人のお金をかすめ取る」ことを目的にしていて、普通にお金がお金を生む限度を超えている。社会正義に反する。

こんなものが長続きしてもらってはかなわない。その意味でリーマンブラザーズが倒産したのは悪いことではない。正義が報われない社会は良くない。

でも、老後を安心できるはずの頼りの年金は全くダメだ。社会保険庁があのていたらくだからだ。

本当は社会保険庁がしっかりしていて、男女雇用機会均等法を推進し、ロボットの普及に力を注ぎ、それと「賦課型年金」を組み合わせれば悠々やっていけるが、社会保険庁が省庁の壁を越えてダイナミックに国民の老後をケアーすることは期待できない。

だからといって銀行や郵便局に貯金したり、国債を買ったりしても、買った分だけ税金が増えるし、お金は賞味期限を過ぎて、人生に喜びや安心をもたらしてはくれない。

だから「株に投資する」しかないが、それも値段があがったり下がったりするし、本来、値上がりで儲けるものではないのに変質している。もっと確実で本質的な方法はないのだろうか?

個人的に推薦する方法が四つある。それを順次、説明していきたい。

まず第一が、「フジヤマ方式」である。世界に誇る日本の富士山。太平洋沿岸から見るこの山の美しさに勝る景色は世界広しといえども簡単には見つからない。それほど美しい。

clip_image002

だからよほど下手なことをしない限り、観光客が来る。黙っていれば良いのだから簡単だ。観光というのはお金を落とす。それもほぼ同じペースで長い間、続くから定期的な収入になる。

フジヤマ方式は個人でもできる。人間は美しいものに憧れる。だから身の回りを美しい環境にすれば自然に自分も豊かになる。普通の人はそれに気がつかないので、家の中は汚い、事務所は汚れている、行動は粗野だ。人はそれを見て何も言わないが次第に足は遠のく。

美しいのはお金ではない。こざっぱりした美しさは貧乏でもできる。

(平成20113日 執筆)