ここ数日、私は「環境の為に、レジ袋を止めるべきか、NHKを止めるべきか」を考えています。すでにこのホームページでも書きましたように、この設問はなかなか難しいのです。

単純にCO2の排出量という点から言えば、NHKを止めるのが良いこともすでに示しました。でも、それだけの理由でNHKを止めるのには異論があるでしょう。

その異論は「NHKは社会の役に立っている」ということと思います。もう一つは「私がNHKを見ている」という理由もあるでしょう。

それでは、「レジ袋は社会の役に立っている」と、「私はレジ袋を使っている」というのとの比較をしなければならなくなります。

NHKの代わりに民放を見るとなにか問題があるか?という設問と、レジ袋の代わりに{エコバッグー専用ゴミ袋}の袋セットに替えるとなにか問題があるかという設問も興味深いものがあります。

NHKの代わりに民放を見るようになると受信料がいらなくなります。その代わり、番組にスポンサーの圧力があると考えられますが、NHKは政府の圧力を受けているので、それは同じことのように思います。

レジ袋の代わりに袋セットに替えると、袋の購入代がかかります。その代わり、自治体はスーパーなどの業者と癒着できなくなります。裏金作りなどが難しくなるのでいやがるでしょう。

「そもそもNHKとレジ袋を比較すること自体、問題外だ」という考えもあるでしょう。それではレジ袋と何を比較したら良いのでしょうか? ビジネス鞄?ハンドバッグ?ブランド物ハンドバッグ?・・・いや、それは「使い捨てではないから比較にならない」という意見がありそうです。

それでは「使い捨て」と「耐久品」を比較してみましょう。もし3万円のバッグを使うと、それには石油を約300キログラム使います。レジ袋は一枚5グラムですから、60万袋分にあたり、一年にほぼレジ袋を毎日使って300枚使うとしても、2000年分になります。

つまり「使い捨て」というのは一見して資源を余計に使っているように見えますが、実際には「耐久品」は「所有する満足感」を得るためであり、必ずしも資源の節約になっていない場合が多いのです。

20081026日の北海道新聞に「対論」というコラムにレジ袋と環境について北海道大学の先生と私が載りました。私は取材が終わった後、対論のお相手として北海道大学の教授がお出になることを知り、記事が出るのが楽しみでした。

なにしろ、北海道大学の先生が正面から「レジ袋の追放は環境によい」という論理を展開されるのですから、私の思考能力を超えており、その論理を知ることは私にとってとても大切なことだったのです。

それは私の最近の悩み・・・レジ袋を止めるか、NHKを止めるか・・・の結論を得る手がかりになる可能性があったからです。

(平成201028日 執筆)