学生がときどきプラスチック・リサイクルについて、感想を寄せてくる。
「小学校の時に、先生に連れられてリサイクル施設を見に行ったら、プラスチックをリサイクルして素晴らしいものに変えていた。それ以来、僕はリサイクルをしなければならないと信じてきたけれど、東京もリサイクルをやめてしまったし、ウソだったのですね」
環境大臣がテレビ局に示した「リサイクル品」は、実は石油から新しく作られたのものだった。到底、小学生に見せられるものではない。
紙のリサイクルの偽装が発覚した。
5年ほど前にわたしの学生は、紙のリサイクルの実態を自分で勉強して、次のように言った。
「僕はガッカリした。紙のリサイクルは環境を汚すことがわかった。でも、あの尊敬していた小学校の先生が僕にウソをついたことが一番、ショックだ・・・」
その真面目で純情は学生は、これまで環境に興味を持ってきた。その一つの理由が「あの尊敬する先生」が「紙のリサイクルは環境に良い」と言ったからだ。
そして、彼は長じて、自らが紙のリサイクルを勉強し、考えることが出来るようになったら、あの尊敬していた小学校の先生のウソがわかったのだ。
ある講演会で私の本を読んだ女性の方が、
「先生の本を読んでから、小学生にどんな環境教育をすればよいかわからなくなった」
と言われた。
私は、
「基本的な環境について教える方が良い。リサイクル、ダイオキシン、また温暖化のように大人の中で議論があり、利権が絡んでいることは教育しない方がよい。ウソになるから」
と答えた。
日本経済新聞は、企業と小学校を結んで環境の教育をするキャンペーンを始めたそこで、「温暖化して、南極の氷がとけ、海水面が上がって、ツバルが沈んでいる」という映像を見せたら、小学生が青ざめていたという記事を出した。
でも、この4つともウソである。南極の気温は温暖化していないし、氷は減っていない、ツバルの海水面はほとんど上がっていないし、ツバルは沈んでもいない。全部、ウソである。ウソをついて小学生を青ざめさせる理由があるのだろうか?
この環境教育は次世代の日本人をウソつきにするだろう。大きな被害を与えるのは間違いない。
名古屋の南の市に講演に言ったときだ。私の講演の前に小学生が舞台でダンスを踊っている。驚いたことは、小学生が手をつないで「私たちにできること」と歌っているのだ。小学生が温暖化を理解するはずはない。判断ができない小学生を洗脳するのはもっとも危険なことである。
そこで、ここでは「環境教育で教えるべきこと」ということですこし執筆を続けたいと思う。一部は、今までと重複するが、できるだけ教育に使えるように書き直すことにする。
(平成20年10月19日 執筆)