少し時間の余裕ができたので、夏の新聞に目を通していたら、北海道新聞にいくつかの環境関連の記事が掲載されていた。その中で北海道大学の金子先生が社会学の立場から論説を書かれている。

「ジェット機が一分間に出すCO2600キログラムにもなるのに、6グラムのレジ袋をやり玉に挙げる」という奇妙な現象を指摘し、「地球科学における「仮定」の推論が導く恣意的な政治的対策」で「次世代への借金を増やすだけだろう」とされている。

本当に利権団体に温暖化のお金を配っている間に、子孫にはそのツケを回すことになるだろう。なんと言っても、何も起こらないところにお金をつぎ込んできたのは、リサイクル、ダイオキシン、そして環境ホルモンに続いて、温暖化が第4番目なのだ。

 でも、このような記事が大新聞に掲載されるようになったことを私は深い感慨を持って読んだ。1990年に日本で環境問題が浮上して以来、新聞報道のほとんどは「よい子」報道であり、「方向性」があり、「事実」を軽視していた。

 その首魁はNHKであり、NHKが間違ったデータを流して世論を形成し、形成された世論を後押しするようにテレビや新聞が、多くの誤った報道を繰り返してきた。

 プラスチックはリサイクルされていない(98%が焼却されている)、100%リサイクル紙は50%の偽装だった。それでもまだ分別が続いている。もし、正確な報道がされていたらとっくの昔に家庭の分別は中止されているだろう。

 家庭で分別しなくてもどうせ焼却してしまうのだし、それなら金属も生ゴミも一緒の方が、焼却炉でメタルを回収できるし、有害物質の分離も容易である。でも、事実報道がされていなければ、こんな簡単なことも世論にはならない。

 安倍首相、福田首相と相次いで職務を放棄した。そして放棄した人を推薦した人もまったく反省の弁がない。実は、現在の政治や官僚はこんなものなのである。これも事実が白日のもとに晒されているのだから、日本人は「いまや政治やお役所の世界に「誠実」はない」と悟る時期のように思う。

 マスメディアは情報の最前線にいるから、どうしてもこのような「無責任社会」に自分たちも巻き込まれてしまう。そして、「公的な発表や数字を使っていれば、それが事実ではないとわかっていても責任はとらされないから、いいや」と心の中で逃げを打つ。

 人間は弱いから、それも仕方ないだろう。でも、テレビ一局、新聞一誌が登場すればよい・・・「事実」を報道するマスメディア・・・それを私たちは待っている。他のものは読まずにそれをとればよいし、NHKの視聴料は事実報道が行われるまで払う必要はない。

 まず、その第一歩として「事実を報道するマスメディア」と「方向性をもったマスメディア」をリストアップしていきたい。まず、ハッキリしているのが「方向性を持ったマスメディアの第一号」はNHKだ。これは間違いない。

20089月のマスメディアリスト

正規マスメディア(事実重視)   北海道新聞、フジテレビ

擬似マスメディア(国民誘導)   NHK

(平成2094日 執筆)