「低炭素社会」といい、「CO2を削減しよう」と言う。なにか、まるで「炭素」に恨みでもあるようにすら感じられる。

 地球にCO2はあるのだろうか? 水素は軽すぎてとうの昔に地球から宇宙に飛んでいってしまい、今では水素分子(エネルギーになる水素)は地球上に無いと言って良い。

 「水素自動車」、「燃料電池」などは「無尽蔵な水素をエネルギー源として」という枕詞をつけたら、ウソになる。水素は地球上にないから石油からCO2を出して作らなければならない。

 でも、CO2も少ない。大気中のCO2350ppmだから、窒素の79%、酸素の21%から見ると比較にならないほど少ない。大気中の水蒸気ですら1(10000ppm)もある。

 地球にCO2はあるのだろうか?

 かつてはあった。地球上の大気の中でCO2が一番、多く、次が窒素だった。もちろん、その頃は酸素はない。

 CO2は海に吸収され、石灰岩となり、珊瑚礁を作り、そして植物性プランクトンが固定した。陸上植物は、死んだら大半が分解されてCO2に帰るが、海中の植物(プランクトンや藻)は海底に沈んだら分解もされずに「炭素のまま」海底に沈着する。

 かくして、CO210億年ごとに10分の1になっていった。

 現在が0.04%10億年前が0.4%20億年前が4%、そして30億年前が40%だ。この10億年で0.4%が0.04%になった。比率的に減少するから計算はやや難しいが、簡単にこれまで1億年で0.04%づつ減ってきたとしても大きな間違いではない。

 そうすると、残りは0.04%だから、これから1億年後にはCO2はほとんど大気中になくなる。そして寒くなるけれど、その前に、生物は「体を作る原料」を失うので、絶滅する。

 言うまでもなく、生物の体は、CO2と水と太陽の光で光合成を行い、炭素で体を作ったり、酸素と結合してCO2に戻してエネルギーを得ている。CO2が無くなったら万事、終わりだ。

つまり、もし人間がCO2を出さなければ、生命の寿命はカンブリア紀に大発生してから6億年でその生涯を終えるだろう。生物は、人間がCO2を出すのを心待ちにしている。

 一番、てっとり速いのは、「石油を炊いて、大昔に封じ込められたCO2を解放する」ということだろう。それをすれば、温暖化するし、生物は原料が増えるので危機は回避される。

 「人間は地球上の生物にとって厄介者だ」という環境関係の学者が多いが、もし人間がCO2を解放できれば、今までの人間の罪は許されるかも知れない。

 どのくらいのCO2をどのくらいのペースで大気中に出すのかは人間がその科学を使って決めることができる。今のところ、100年間でCO2100ppm程度増えると予想されているが、なかなか良いペースではないだろうか?

 今の地球は第二氷河時代で、気温も低いが、あまりに急激に温度が上がるのは問題だから、科学が貢献してよくよく計画を作り、CO2の排出量をコントロールしたい。

 人間の知恵が自然と共生できる一つの証拠になる。

(平成2089日 執筆)