連日、名古屋では猛暑が続いている。最高気温は毎日、36℃あたりをウロウロしている。そういえばと思って、昔、よく夏を過ごしたパリの気温を見てみると、今週は、少しあがってきたが25℃程度だ。

 パリにいると、ギリギリだが冷房がいらない感じの夏を過ごす。もっともバカンスなどに出かけて人のいない家も多いから、その点でも日本の夏と少し雰囲気は違う。

 でも、名古屋とパリを比較すると、「緯度が違う」とお叱りを受けるので、少し南に下がって見ると、ローマの最高気温は30℃、アテネは31℃だ。どうもヨーロッパのどこにいっても名古屋よりかなり涼しい。

 それならと地中海を渡って、アフリカのチュニジア(チュニス)はと見ると、さすがアフリカで33℃から34℃ぐらいの最高気温になる。それでも名古屋よりは涼しい。

 ハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンが主演した、あのロマンあふれた映画「カサブランカ」は白い壁の暑そうな街だったが、アフリカでもさすが保養地で25℃ぐらいしかあがっていない。

 ならば、アジアに飛んで赤道の近く、インドネシアのジョグジャカルタはどうだろうか?ここも私にとっては「暑かった記憶」のあるところだが、最高気温は33℃だ。

 ウーン?? 私は世界で一番、暑いところに住んでいるのか?日本は温帯では無かったのだろうか?? 

 マレーシアもずいぶん、何回も言ったけれど、クアラルンプールの最高気温が31℃というのも理解できる。そんなものだ。・・・あった!サウジアラビアのリアド。ここは砂漠に囲まれて緯度も低い。最高気温は42℃だ。

 良かった! 名古屋が世界でもっとも暑いところでなくて、何となくホッとした。暑気払いにロシアのサンクトペテルスブルグを見たら19℃、いや、涼しい。

 暑さでぼーっとした頭のなかになにやら妄想が駆け巡る・・・

 温暖化っていったい、何だろう。確かに地表の気温は太陽の活動もあるし、CO2も関係して少しあがっていくだろうけれど、なんで温帯の名古屋が、世界でもトップを争う暑さなのだろうか? 同じ日本でも岩手の宮古の最高気温は25℃だ。

 温暖化と言っているし、名古屋にいると温暖化が進んでいるような錯覚にとらわれるが、なにか、的が外れているのじゃないか?温暖化の最大の問題は、夏に暑い日が多くなるということだろう。冬は少し暖かくなったと言って文句を言う人はいないだろう。

でも、夏が暑いと言っても、名古屋のように36℃になると辛いが、世界の多くの都市は、せいぜい30℃になるぐらいなら、「温暖化しない名古屋」と同じだ。

 気温は地域によってずいぶん違う。名古屋に住んでいると温暖化は何となくイヤだが、宮古なら何とも感じないだろう。むしろ、冬に少し気温が上がってくれた方が助かると思う。宮古の人は「温暖化を防ぐために電気を消しましょう」などと言っていないと思う。

 都市化ではないのか?それとも太平洋高気圧に覆われる日本の気候を考えた都市作りをしていないのではないか?温暖化という幻想はもしかすると、日本人自らが作り出した「悪い季候の国土」ではないのだろうか・・・

 電気を消してCO2の排出を抑えても気温はまったく変わらないのだから、そんな役にも立たないことをやらないで、もっと直接的に「なぜ、名古屋の気温はこんなに高いんだ!」ということを自治体は研究して欲しいものだ。

 名古屋の暑さのせいもあるが、頭はぼーっとしているし、余りにNHKが「温暖化、温暖化」と叫んで誤報を繰り返したので、すっかり平衡感覚をなくしてしまった。私たちは意味のないCO2削減をやって、この猛暑を我慢しなければいけないのだろうか?

(平成20727日 執筆)