「欲望と恐怖」がどのように環境問題に現れているかということについて、情報をできるだけ客観的に与えていると考えられるネットのWikipediaを参考にして考えてみたいと思う。
Wikipediaの「武田邦彦」の冒頭には、私の学術活動はほとんど触れられずに、直接「これらの地球環境問題の定説に反する主張は、科学論文としてではなく、TVのバラエティ番組[2]や一般向け書籍(*)などマスメディアや、自身のホームページ[3]を活動舞台として開陳している。」という記述が見られる。
若い頃からいろいろなところで、私の紹介をしていただいてきたが、これほど事実と違う私の紹介にあったことはなかった。驚いた。
私の活動は、その大半が学術的なものであり、最近、一部で環境の活動をしている。その中で主たるものは私の専門である「材料工学、分離工学」に関わるもので、研究を中心にして、材料劣化(エントロピーの増大)を中心にしている。
これについては最近のものだけだが活動をリストにして、下記にまとめた。残りはこのホームページでも紹介している。
私は同時に、科学者、教育者として「環境を科学から見る」ということで、ダイオキシンや温暖化についてのコメントや著作活動をしている。
だから、このWikipediaの記述は主要部分をカットしているという点を除いては正しい。私が温暖化を「科学論文」としてではなく、一般向け書籍として出しているのは、私が直接、研究しているのではなく、科学者、教育者として説明を加えているからだ。
でも紹介文の中にある「開陳」という用語は私にはなじまない。「活動している」という意図と思うが、若干、用語の使用に問題は無いだろうか。
その人を紹介するときには、まずその人の全体像をまとめて欲しい。まとめ方が少し気に入らないとかは言ってはいけないのだろうが、Wikipediaの個人のページがその個人の誹謗中傷になるようなことがあると、全体を壊してしまうのではないか?と少し疑問に思う。
以下に私の研究分野(材料の劣化、微細な構造研究など)の活動の記録になる学術論文をリストした。これが私の主力の活動であることを、Wikipediaの人にもご理解いただきたいものである。
私はあまり「業績」というものを強調したくはないのだが、これまで学術論文や講演を数多く行い、学術の世界で貢献をしてきた。人は自分を紹介していただくときには、できれば正確にその人のことを表現して欲しいと思うものである。ネットだから人の心が変わると言うことはない。
【2007年(一部2008年)の学術論文を中心とした活動記録】
1. 日本材料学会誌「材料」、「プラスチック成形体の力学的および熱応力疲労による破断面の形態」、日本材料学会、Vol.56, No.1 p.1-7 (2007)
2. Journal of Applied Polymer Science, “Thermal Behaviors and Flame-Retardancy of Styrene-Ethylene-Butadiene-Styrene-Block Copolymer Containing Various Additives”, Wiley Periodicals, Inc., Vol.104, p..156-161 (2007)
3. 高分子論文集、「微量な超強酸塩が添加されたポリカーボネートの熱分解と燃焼挙動」、高分子学会、Vol.64 2, p.102-107 (2007)
4. 高分子論文集、「有機溶媒を使用しない電子回路積層板の形成と理論」、高分子学会、Vol.64, No.2, p.108-114 (2007)
5. エレクトロニクス実装学会誌、「エレクトロニクス製品が火を噴かないためには?」エレクトロニクス実装学会、Vol. 10, No.2, p.112-115 (2007)
6. 資源素材学会誌, 「インジウムの循環解析と資源性の考察」、資源素材学会、 Vol.123, No.3, p.35-41 (2007)
7. マテリアルライフ学会誌、「信頼性発現に関する人工物と生物材料における機能対比」、マテリアルライフ学会、Vol.19, No2, p.88-97 (2007)
8. Journal of Applied Polymer Science、”Contribution of Shape on Ignition of Polymeric Materials”, Wiley Periodicals, Inc. Vol.105, p.1930-1936 (2007)
9. マテリアルライフ学会誌、「ABSおよびPC/ABSアロイの難燃性」、マテリアルライフ学会、Vol.20, No.1, p. 27-35 (2008)
10. Journal of Applied Polymer Science, “Flame Retardancy of Polybutylene terephthalate Blended with Various Oxides”, Wiley Periodicals, Inc., Vol. 109, p.910-917 (2008)
11. 高分子論文集、「微量の銅を含むポリアミドの耐熱性と化学構造」、高分子学会、Vol.64, No.6, p.380-386 (2007)
12. Journal of Nanoscience and Nanotechnology , “Silica/Perfluoropolymer Nanocomposites Fabricated by Direct Melt-Compounding : A Novel Method without Surface Modification on Nano-Silica”, American Scientific Publishers, Vol.7, p.2433-2442 (2007)
13. 高分子論文集、「PPE/HIPSアロイとの比較におけるPC/ABSアロイの熱分解」、高分子学会、 Vol.64, No.9, p.553-560 (2007)
14. 高分子論文集、「ポリエステルの熱による主鎖開裂」、高分子学会、 Vol.64, No.9,p.575-582 (2007)
15. 高分子論文集、 「ポリエチレンナフタレートの熱分解の分解生成物および残渣」 高分子学会、 Vol.64, No.9, p.583-589 (2007)
16. 高分子論文集、「非相溶性アロイであるポリカーボネート/ポリ乳酸の燃焼挙動とケージ効果」、高分子学会、 Vol64, No.9, p.561-567 (2007)
17. Polymer Degradation and Stability、”Thermal Degradation and Flame Retardancy of Polynorbornene by Zeolite”, Elsevier Ltd., Vol.92, p. 2257-2263 (2007)
18. 高分子論文集、「新しい測定方法を用いた高分子材料の燃焼性の評価」、高分子学会、Vol.64, No.11, p.765-771 (2007)
19. 高分子論文集、「金属酸化物触媒を用いたPLAの燃焼制御」、高分子学会、 Vol. 65, No.4, p.288-294 (2008)
20. 工学教育、「工学教育と教養」、日本工学教育協会、 Vol.56, No.1 p.41-47 (2008)
21. 高分子論文集、「ポリオレフィンおよびポリスチレンの燃焼炎の位置と熱分解生成物」、高分子学会、 Vol.65 No.2, p.164-170 (2008)
22. 高分子論文集、「パラフィンおよびポリエチレンの燃焼に及ぼす分子量の影響」、高分子学会、 Vol.64, No.2, p.171-177 (2008)
23. マテリアルライフ学会誌、「ABSおよびPC/ABSアロイの難燃性」、マテリアルライフ学会、Vol.20, No.1, p.27-35 (2008)