3回目は温暖化を打破しておきたい。この話は複雑なので、きわめて基本的なグラフを二つ示して、それで結論を出そうと思う。すこし乱暴だが、時には木を見て森が見えないときもあるから。
まず、最初のグラフは「現在はもともと温暖化の時期で、平安時代や縄文時代よりかなり寒い」というものだ。これはIPCCも第二回の報告書まで使っていた、学会ではほぼ認められたものである。
世界的に気温が高かった2006年はこれまでの3000年の平均より少し低い気温で、まだ「日本が3000年の間、経験した温度から見ると2℃も低い」ということが言える。
だから、温暖化で何かが起こるということは当面、考えられない。
第二番目のグラフは、二酸化炭素の濃度だ。次のグラフは地球が出来てからの二酸化炭素などの変化を示しているが、二酸化炭素はずっと減り続けている。
生物が誕生したのはかなり前だが繁栄しだしたのはカンブリア紀(6億年ほど前)で、その時には0.5%まで減っていたが、それでも現在の10倍以上の濃度である。生物はそのような環境の中で快適に暮らしていた。
だから、二酸化炭素の濃度は10倍までOKである。
それより、生物にとって二酸化炭素が「生きるための原料」であり、それがほとんど無くなりつつある。おそらく「生命の絶滅」は「二酸化炭素の枯渇」によって決定的になるだろう。
二酸化炭素が無ければ植物は光合成ができず、植物を食べて生きている従属栄養生物としての動物もまた絶滅する。
「持続性社会」を作るため、生物が地上に繁栄する為には、危険な水準まで下がってきた二酸化炭素を増やさなければならないという結論に達する。
少し頭を冷やしてよく考えてみたい。このようにしっかりした根拠から見ると、まるで逆になるのだから。
(平成20年5月21日 執筆)