私が連続的にNHKの環境誤報を指摘するのは、「今のNHK」が「環境なら誤報しても良い」という基本方針を変えないと、日本の将来に大きな影響を与えると心配しているからだ。
私は環境とか材料は専門だから「放送を見て知る」というのではなく、自分で調べて知っている。だから環境や科学ならNHKの誤報が判る。
でも、NHKが以前からあらゆるニュースなどに誤報していたとすると、それが間違っているか私には判断できない。もし間違っていたら、私は自分の人生で何を見て、何を判断してきたのか、不安だ。
NHKは「見ている人は、調査や取材していない」ということを知らないのではないか。NHKを見てそのことを知るのだから、誤報はまずい。
2008年5月8日朝の誤報は二つあったが、その一つが「朝顔」だ。番組は「環境一口メモ」というものだった。
放送の内容は簡単に言えば、
「夏に窓の外に朝顔の蔓を這わせる格子を作れば、それで太陽が遮られて涼しい。冷房をつける時間が短くなる」
ということだ。
これは素晴らしい。
もともと夏は冷房をつけるのではなく、窓から見える朝顔を見ながら、朝顔の葉から蒸発する水の潜熱と遮光によって涼しさを得ることができる住まい環境がベストだろう。
でも、その後が悪い。
NHKは、
「このことによって、二酸化炭素が**キログラム減り、月々の電気代が400円節約できる。だから温暖化に寄与できる」
と言った。
これは明らかな誤報だ。本当に放送通りに思って実行した人が可哀想だ。なぜかというと、「引き算」をしていないからだ。
節約できた電気代400円で人はなにかをしなければならない。まさかその400円をドブに捨てろと言っているのではないと思う。
「明るい生活をしよう」と夜、電気をつけたら差し引きゼロだ。「ドライブをしよう」と400円で2.5リットルガソリンを入れれば、こちらはおそらくよけいに二酸化炭素を出すだろう(自動車の劣化や道路の傷みも入れて)。
NHKはこの400円を何に使えば、そっくりそのまま二酸化炭素が減ると考えているのだろう。私にはそんな例は思いうかばない。
私はNHKの番組を作る人なら頭脳明晰だからそんなことは承知の上、つまり、ここが重要だが、
「故意に引き算をしないで、温暖化の利権に与している」
と思う。それ以外にこの報道について合理的な見方は出来ない。
「今のNHK」の方!!
NHKの報道を信じて今まで生活をしてきた私の不安を解消して欲しい。これまでも間違っていた番組があったら、全部の放送を止めて訂正報道に終始して欲しい。そうしないと私は何を見て、何を正しいと判断してきたのか、不安だ。
(平成20年5月8日 執筆)