世界平均としては、100年後に、気温が約3℃あがり、途中で急激な変化はないということで整理ができます。IPCCのデータをそのまま使っているので、ここまでは問題がありません。 

 さて、温暖化は「地球規模の問題」ではありますが、それは問題の所在であり、ここの生物はその生活する環境の中で影響を受けます。たとえばよく報道されますが北極のシロクマはかなりの打撃を受けるでしょうし、海洋性気候のハワイなどはほとんど影響が無いかも知れません。

 そこで、日本はどうかということを次に考えてみます。IPCCは「世界平均、陸地、海」の3つの温度を観測していますが、20世紀の100年で世界平均が0.75℃、陸が0.95、海が0.55℃程度の上昇を観測しています(次のグラフ)。

温度変化陸と海.jpg

 日本は四面を海に囲まれていること、人間が多く住んでいるところが海岸線であることから、まず海の気温に近いとして非常に単純に比例計算をします。このような計算の時には3℃より2.8℃を使って精度が落ちないようにします。

2.8*0.55/0.75=2.0

 つまり、ザッと計算すると日本は100年間で2℃程度の温度が上がりそうだということになります。概略の数字ですが、日本の研究者も1℃から4℃程度の数字を出していますから、大きくは違わないでしょう。

 公的な数字を調べるのも大切ですが、年金でわかるように現在は「公的数字」は当てになりません。そこで、自分でもあわせて少し計算することも正しい結論に至るには大切です。

 ある程度の国際的な制約の中で、世界の各国がこのまま経済成長を続けると、100年後には日本の気温は2℃程度あがると言うことが判ります。

 この「2℃上がる」というのが具体的にどの程度の影響をもたらすかについては、次回から少しつっこんで整理を進めていきますが、日本は、北半球で唯一の温帯の島国であり、太平洋側も日本海側も流れの強い海流があります。

 また、四季がかなりハッキリしていて、同じ場所にいても気温の変化は非常の大きいことも特徴的です。

 また日本列島は南北にものすごく長いので、「日本の平均気温」といっても、個人個人にはほとんど関係がありません。たとえば北海道の旭川に住んでおられる人と、沖縄の那覇では「温暖化」と言ってもかなり違うでしょう。

 日本の平均気温が上昇すると言っても、みんな、あるところに住んでいるのですから、問題は自分のところはどうなるのというのが関心事のはずです。そこで、日本の各地の平均気温は気象庁が発表していますのでそれを下の表に示しました。

平均気温.jpg

 札幌は冬(1月)はマイナス4℃、夏(8月)は22℃ですから、これが2℃上がると、冬はマイナス2℃になり、夏は24℃になります。とても快適で、灯油の消費量も減るでしょう。温暖化は北海道の人にとっては歓迎です。

 東京は都市化していますから、少し別のことも考えなければなりませんが、冬は2℃上がると7℃程度で問題はなく、夏も27℃ですから平均的には29℃になるだけで、これも問題はありません。

むしろ東京は「自分で暑くしている」ということで、大きなビルがほとんど全部、冷房をかけているので、外が暑くなるのは仕方がないと思います。温暖化より冷房の影響が大きいところです。

問題は那覇で、冬が17℃、夏が29℃ですから、それぞれ19℃、31℃になります。でも沖縄が住みにくくなるということにはならないように思います。

 このように考えますと、日本の場合、南北に長いので、もし温暖化による気温の上昇が、生活に悪い影響を与えるとすると、南に住んでおられる沖縄の人に限定されることがわかります。

もともと、沖縄以外に住んでいる人は、温暖化で「少し沖縄に近づく」ということですから、問題が起こるはずもありません。

 そして、現在では、本土から年間3万人の人が「より温暖な土地に住むこと」を求めて沖縄に移住することを考えると、少なくとも「気温」について温暖化はなにも問題を起こさないことが論理的にも言えます。

 

 温暖化で日本が大変だ、暑くなると警告する人は、その「日本」というのが具体的にどこを指すのか、なぜ沖縄が一番、移住したいと希望する人が多いのか、それを説明しなければならないでしょう。

 (平成2029日 執筆)