守屋前事務次官夫婦が逮捕された。逮捕したのは検察である。私はあまり検察が好きではないが、事件がある毎に検察に感謝する。もし検察がNHKと同じだったらどうなるのだろうか? 

 マスメディアは何のために存在するのだろうか?

 現在のマスメディアは「娯楽」という一面が強調され、「事実を伝える」という本来の任務は軽視されている。マスメディアは国民に娯楽を提供し、「窓口取材」で得られる官報を報道するという状態にある。

 本当にそれで良いのだろうか?

 守屋前防衛省次官とその妻、300回以上にわたるゴルフ、度重なる夫婦での接待旅行、それに防衛省婦人会の業者持ち飲食代などその内容はかなり濃密である。

 NHKは国民から視聴料をとり、国民の為に娯楽を提供し、事実を伝える・・・少なくともNHKはそう言っている。そしてNHKにも「防衛省担当記者」がいる。

また解説委員や論説委員も防衛省幹部との接触もしている。時には防衛省幹部との接触には飲食を伴い、そんな時に視聴料を飲食の交際費として使っているはずだ。

本当にそうかについての確実な情報はもっていないが、「李下に冠を正すときにはスポンサーに説明責任がある」という私の説に従えば、NHKは防衛省関係の交際費を国民に公表した方が良い。

少し脱線したが、NHKの防衛省担当記者も幹部も、守屋夫妻の行動にまったく気づかなかったのだろうか?もし気づかなかったとしたら、普段から「防衛省にとって都合の悪い事実だが、国民にとっては大切な事実」をどういう方法で取材しようとしているのだろうか?

守屋前次官夫婦が逮捕されたとき、マスメディアはそれを大きく伝えた。朝日新聞はそのページのほぼ3分の1を使っていたし、朝日新聞の論説委員が防衛省幹部と度重なる会合をしていたことも記載されていた。

それではなぜ、判らなかったのだろうか? 防衛省次官ともなれば、何時なんどきのことに備えて居場所は明らかになっているはずだ。だから、毎週のように特定業者とのゴルフをしていることは当然、判っている。

それではなぜ、それを報道しなかったのだろうか?

守屋前次官の妻が逮捕されたのは「収賄が悪いと言うことを判っていてそれを幇助したり、積極的に自ら行った」という罪である。それを敷衍すれば「マスメディアは社会的な悪が防衛省で行われているのを知っていながら、自らの社会的任務を怠り報道しなかった」ということになるので、国民からはレッドカードになる。

もちろん、レッドカードで退場だから、そんなNHKに視聴料を支払う必要はない。NHKは防衛省から視聴料をとれば良いのであり、国民から取る権利は無い。

 NHK以外のマスメディアの怠慢も問題ではあるが、特にNHKは強制的に視聴料を取っているのだから、国民側から見ると「見る義務がある」報道機関である。

 だからこの際、是非、「なぜ、守屋次官の収賄を2006年度に報道しなかったのか?」という説明をする必要があるだろう。クローズアップ現代には良いテーマである。

NHKの再生のために私は、NHKが自ら報道しなかった理由を公表した方が良いと思う。自ら都合の悪いことを自ら公表する、それが長期的に見てNHKが国民から信頼される大切なことだろう。

それにしても次官夫婦の犯罪にも気がつかない、ふがいないNHKを養っている国民に取ってみれば、日本に司法があって良かったとつくづく思うし、中学校の時にならった三権分立のありがたみを実感する。

つづく